弁護士法第72条本文前段に抵触する委任契約の効力

(昭和38年6月13日最高裁)

事件番号  昭和37(オ)1460

 

この裁判では、

弁護士法第72条本文前段に抵触する委任契約の効力について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

上告人と被上告人らの先代Dとの間に成立した契約は、

上告人が右Dから債権の取立を委任され、

更にDから右債権の取立の目的を達成するためDの提起する訴訟につき

弁護士を選任し、仮差押並びに仮処分申請の手続をなすの件及び

これらの事件につき和解等による解決の一切を委任され、

右債権の取立に成功すれば取立金額から訴訟費用を控除した

残額の半額を報酬として受取るという趣旨のものであると認定した上、

弁護士の資格のない上告人が右趣旨のような契約をなすことは

弁護士法72条本文前段同77条に抵触するが故に

民法90条に照しその効力を生ずるに

由なきものといわなければならないとし、

このような場合右契約をなすこと自体が

前示弁護士法の各法条に抵触するものであつて、

右は上告人が右のような契約をなすことを業とする場合に

拘らないものであるとした原判決の判断は、

当裁判所もこれを正当として是認する。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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