全部勝訴の原告は控訴審において附帯控訴の方式により請求の拡張をなし得るか

(昭和32年12月13日最高裁)

事件番号  昭和31(オ)910

 

この裁判では、

 全部勝訴の原告は控訴審において

附帯控訴の方式により請求の拡張をなし得るかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

全部勝訴の判決を得た当事者(原告)も、

相手方が該判決に対し控訴した場合、附帯控訴の方式により、

その請求の拡張をなし得るものと解すべきである。

 

本件原審において、被上告人がした所論請求の拡張も、

これを実質的に観れば、附帯控訴に外ならいものと解すべきであり、

その方式においても、民訴374条、367条に反するところのないことは、

記録上明らかであるから、

右請求の拡張すべからざるものとする論旨は、

採用することはできない。

 

(なお、貼用印紙の不足額については、

当審において被上告人をして追貼せしめたから、

この点においても、欠くるところはない。)

 

上告理由第二点について。

昭和二元年九月二〇日被上告人と上告人との間に

本件裁判上の和解が成立したことは、原審の確定したところであり、

本訴は、被上告人が上告人に対し

右和解契約の履行を請求するものであって、たとえ、

右裁判上の和解に所論のような

訴訟法上の効力に関する問題が存在するとしても、

その如何にかかわらず、右裁判上の和解において、

当事者間に私法上の和解が有効になされたことは

争い難いところであるから、

所論は、ひっきょう、右私法上の和解の履行を求める

本訴請求を拒否する理由とはならないものである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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