間接事実についての自白の拘束力

(昭和41年9月22日最高裁)

事件番号  昭和40(オ)574

 

この裁判では、

間接事実についての自白の拘束力について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

上告人の父Dの被上告人らに対する

30万円の貸金債権を相続により取得したことを

請求の原因とする上告人の本訴請求に対し、

被上告人らが、Dは右債権を訴外Eに譲渡した旨抗弁し、

右債権譲渡の経緯について、Dは、Eよりその所有にかかる

本件建物を代金70万円で買い受けたが、

右代金決済の方法としてDが被上告人らに対して有する

本件債権をEに譲渡した旨主張し、上告人が、

第一審において右売買の事実を認めながら、

原審において右自白は真実に反しかつ錯誤に基づくものであるから

これを取り消すと主張し、被上告人らが、

右自白の取消に異議を留めたことは記録上明らかである。

しかし、被上告人らの前記抗弁における主要事実は

「債権の譲渡」であって、前記自白にかかる「本件建物の売買」は、

右主要事実認定の資料となりうべき、

いわゆる間接事実にすぎない。

 

かかる間接事実についての自白は、

裁判所を拘束しないのはもちろん、

自白した当事者を拘束するものでもないと

解するのが相当である。

 

しかるに、原審は、

前記自白の取消は許されないものと判断し、

自白によって、DがEより本件建物を

代金70万円で買い受けたという事実を確定し、

右事実を資料として前記主要事実を認定したのであって、

原判決には、証拠資料たりえないものを事実認定の用に供した違法があり、

右違法が原判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、

論旨はこの点において理由があり、原判決は破棄を免れない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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