供託金の充当方法

(平成27年10月27日最高裁)

事件番号  平成25(受)2415

 

この裁判では、 配当表記載の根抵当権者の配当額に

相当する金銭が供託され,その後,

当該根抵当権者に対し上記配当表記載のとおりに

配当がされる場合における,当該供託金の充当方法について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

担保不動産競売の手続における根抵当権者に対する配当は,

根抵当権の優先弁済権を実現して

被担保債権を満足させるものであるから,

配当によって消滅するのは,配当の時点において

実体法上存在する被担保債権であるというべきである。

 

そして,担保不動産競売の手続における配当金が被担保債権の全てを

消滅させるに足りない場合には,

その配当金は法定充当がされるところ

(最高裁昭和62年(オ)第893号同年12月18日

第二小法廷判決・民集41巻8号1592頁,

最高裁平成6年(オ)第2122号同9年1月20日

第二小法廷判決・民集51巻1号1頁参照),

配当表記載の根抵当権者の配当額について配当異議の訴えが

提起されたためにその配当額に相当する金銭が供託され,その後,

当該根抵当権者が上記訴えに係る訴訟において勝訴したことにより,

当該根抵当権者に対し上記配当表記載のとおりに配当がされる場合には,

その配当の実施は,供託金の支払委託によって行われる

(民事執行法188条,92条1項,民事執行規則173条1項,

61条,供託規則30条1項)。

 

そうすると,上記の場合には,当該供託金は,

その支払委託がされた時点における

被担保債権に法定充当がされるものと解するのが相当である。

 

 これを本件についてみると,前記事実関係によれば,

本件供託金の支払委託がされた時点における本件各貸金債権に,

本件供託金及び供託利息の法定充当がされた

結果残存する本件各貸金債権の額は,

本件配当表記載の被上告人の債権額を下回らないものと認められるから,

上告人の本件請求には理由がないことになり,

これを棄却した原審の判断は,結論において是認することができる。

論旨は採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


行政書士試験にわずか147日で合格した勉強法

行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本


スポンサードリンク

関連記事