技術士国家試験の合格、不合格の判定は、司法審査の対象となるか
(昭和41年2月8日最高裁)
事件番号 昭和39(行ツ)61
この裁判では、
技術士国家試験の合格、不合格の判定は、
司法審査の対象となるかについて
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
司法権の固有の内容として裁判所が審判しうる対象は、
裁判所法3条にいう「法律上の争訟」に限られ、
いわゆる法律上の争訟とは、
「法令を適用することによって解決し得べき
権利義務に関する当事者間の紛争をいう」ものと解される。
従って、法令の適用によって解決するに適さない単なる
政治的または経済的問題や技術上または学術上に関する争は、
裁判所の裁判を受けうべき事柄ではないのである。
国家試験における合格、不合格の判定も
学問または技術上の知識、能力、意見等の優劣、
当否の判断を内容とする行為であるから、
その試験実施機関の最終判断に委せられるべきものであって、
その判断の当否を審査し具体的に法令を適用して、
その争を解決調整できるものとはいえない。
この点についての原判決の判断は正当であって、
上告人は裁判所の審査できない事項について
救済を求めるものにほかならない。
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