村民の村道使用権に対する侵害の継続と妨害排除請求権の成否

(昭和39年1月16日最高裁)

事件番号  昭和35(オ)676

 

この裁判では、

村民の村道使用の自由権に対して継続的な妨害がなされた場合に、

当該村民は、右妨害の排除を請求することができるかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

地方公共団体の開設している村道に対しては村民各自は

他の村民がその道路に対して有する利益ないし

自由を侵害しない程度において、

自己の生活上必須の行動を自由に行い得べきところの

使用の自由権(民法710条参照)を有するものと

解するを相当とする。

 

勿論、この通行の自由権は

公法関係から由来するものであるけれども、

各自が日常生活上諸般の権利を行使するについて

欠くことのできない要具であるから、

これに対しては民法の保護を与うべきは当然の筋合である。

 

故に一村民がこの権利を妨害されたときは

民法上不法行為の問題の生ずるのは当然であり、

この妨害が継続するときは、

これが排除を求める権利を有することは、

また言を俟たないところである。

 

これを上告人らの主張に即して考えるに、

もし、上告人らの主張にして真実に合致するならば、

上告人らは被上告人に対し所論妨害の排除を求め

得べき権利あるやも計り難いのである。

 

然るに原判決は上告人ら主張の事実関係については

十分に審究を尽さず、

ただ漫然と上叙の法律論にのみ拘着して、

上告人らの請求を排斥し去っているのである。

 

これでは審理不尽理由不備の欠陥を包蔵するか、

或は原判決に影響するところの重大な

法令違背を犯しているとの誹を免れないものであって、

論旨は結局理由あるに帰し、

原判決は到底破棄を免れないものと言わなければならない。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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