行政事件訴訟特例法第9条の趣旨、職権証拠調べについて
(昭和28年12月24日最高裁)
事件番号 昭和24(オ)333
この裁判では、
行政事件訴訟特例法第9条の趣旨、職権証拠調べについて
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
論旨は原審が被上告人及びその妻の証言を採用しながら
村農地委員会の会長及び書記の証言を採用しないのみならず
甲第一号証(訴願裁決書)を何等の理由を示すことなく排斥したのは、
いずれも経験則違反であり、又行政訴訟特例法9条による
職権調査をしなかったのは違法であるというが原判決は
「他に前記認定を左右するに足る証拠はない」として
甲一号証を排斥しているばかりでなく、論旨は、
結局原審の裁量に属する証拠の取捨判断を非難するに帰し、
また行政事件訴訟特例法9条は、証拠につき
充分の心証を得られない場合、職権で、
証拠を調べることのできる旨を規定したものであって、
原審が証拠につき十分の心証を得られる以上、
職権によって更に証拠を調べる必要はないのである。
それ故論旨はいずれも理由がない。
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