都市計画法8条1項1号の規定に基づく工業地域指定の決定と抗告訴訟の対象

(昭和57年4月22日最高裁)

事件番号  昭和53(行ツ)62

 

この裁判では、

都市計画法8条1項1号の規定に基づく

工業地域指定の決定と抗告訴訟の対象について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

都市計画区域内において工業地域を指定する決定は、

都市計画法8条1項1号に基づき

都市計画決定の一つとしてされるものであり、

右決定が告示されて効力を生ずると、当該地域内においては、

建築物の用途、容積率、建ぺい率等につき従前と

異なる基準が適用され(建築基準法48条7項、52条1項3号、53条1項2号等)、

これらの基準に適合しない建築物については、

建築確認を受けることができず、ひいて

その建築等をすることができないこととなるから(同法6条4項、5項)、

右決定が、当該地域内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課し、

その限度で一定の法状態の変動を

生ぜしめるものであることは否定できないが、

かかる効果は、あたかも新たに右のような制約を課する法令が

制定された場合におけると同様の当該地域内の不特定多数の者に対する

一般的抽象的なそれにすぎず、

このような効果を生ずるということだけから

直ちに右地域内の個人に対する

具体的な権利侵害を伴う処分があったものとして、

これに対する抗告訴訟を肯定することはできない

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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