リラックス法学部 商法・会社法をわかりやすく解説 >商法・会社法 剰余金の配当等に関する責任

 

剰余金の配当等に関する責任

剰余金の分配可能額を超えて配当等をした場合、

金銭の交付を受けた者(株主)と、

一定範囲の取締役・執行役が連帯して、

交付を受けた金銭等の帳簿価格に

相当する額を支払う義務があります。

 

金銭の交付を受けた株主が善意の場合は、

取締役等からの求償に応じる必要はない

としていますが、

会社債権者は株主に対して、

金銭等を会社に返還するよう請求することができます。

株主の善意悪意は問いません

 

株主としても、もともと不当利得なので、

酷な話でもなく、債権者としてはいってみれば

当たり前の規定となっています。

 

(剰余金の配当等に関する責任)

第四百六十二条  前条第一項の規定に違反して

株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、

当該行為により金銭等の交付を受けた者並びに

当該行為に関する職務を行った

業務執行者(業務執行取締役(委員会設置会社にあっては、執行役。

以下この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に

職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。

以下この節において同じ。)及び

当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、

当該株式会社に対し、連帯して、

当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた

金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。

一  前条第一項第二号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合

(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における

分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。

以下この項において同じ。)

ロ 第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合

(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における

分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

(当該取締役会に議案を提案した取締役(委員会設置会社にあっては、取締役又は執行役)

として法務省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)

二  前条第一項第三号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合

(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における

分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

ロ 第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合

(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における

分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

三  前条第一項第四号に掲げる行為 第百七十一条第一項の株主総会

(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が

当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る。)に

係る総会議案提案取締役

四  前条第一項第六号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合

(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える

場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

ロ 第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合

(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を

超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

五  前条第一項第七号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定に

よる決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた

第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の総額が

当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該株主総会に係る

総会議案提案取締役

ロ 第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の

規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた

第二百三十四条第四項第二号(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の

総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る。)における当該取締役会に係る

取締役会議案提案取締役

六  前条第一項第八号に掲げる行為 次に掲げる者

イ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合

(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を

超える場合に限る。)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

ロ 第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合

(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を

超える場合に限る。)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

2  前項の規定にかかわらず、業務執行者及び同項各号に定める者は、

その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、

同項の義務を負わない。

3  第一項の規定により業務執行者及び同項各号に定める者の負う義務は、

免除することができない。

ただし、前条第一項各号に掲げる行為の時における

分配可能額を限度として当該義務を免除することについて

総株主の同意がある場合は、この限りでない。

 

(株主に対する求償権の制限等)

第四百六十三条  前条第一項に規定する場合において、株式会社が

第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の

帳簿価額の総額が当該行為が

その効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき

善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、

前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの

求償の請求に応ずる義務を負わない。

2  前条第一項に規定する場合には、

株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し

その交付を受けた金銭等の帳簿価額

(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、

当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。

 

ということで、今回は剰余金の配当等に関する責任について説明してまいりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

商法・会社法をわかりやすく解説トップへ

試験対策・要点まとめコーナートップへ


行政書士試験にわずか147日で合格した勉強法

行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本


スポンサードリンク

関連記事