リラックス法学部 商法・会社法をわかりやすく解説 >商法・会社法 発起設立について

 

発起設立

株式会社の設立には、

発起設立と募集設立の2つがあります。

 

最初の出資者が発起人のみの場合を

発起設立といい、

発起人以外にも出資する者がいる場合を募集設立といいます。

 

今回は発起設立について説明していきます。

 

まず、こちらは

発起設立、募集設立共通の規定ですが、

発起人は全員の同意

会社法32条に掲げる事項を決定します。

 

(設立時発行株式に関する事項の決定)

第三十二条 発起人は、株式会社の設立に際して

次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、

その全員の同意を得なければならない。

一 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数

二 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額

三 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項

 

発起設立の場合、設立時発行株式は

発起人がすべて引き受けるわけですが、

引き受け後遅滞なく金銭の全額の払い込みまたは

引き受ける株式の対価となる

財産の全部を給付しなければなりません。

 

ただし発起人全員の同意があるときは、

登記、登録その他権利の設定又は

移転を第三者に対抗するために必要な行為は、

株式会社の成立後にすることができます。

 

「発起人全員の同意があるとき」

というところに気をつけましょう。

試験ではこの箇所をふせて

問題にして誤った選択肢をこしらえてくるかもしれません。

 

(出資の履行)

第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、

その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、

又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。

ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録

その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、

株式会社の成立後にすることを妨げない

 

出資の履行をした発起人は、

「株式会社成立の時に」株主となります。

 

ここも試験では

「出資をした時に株主となる」のような誤りの選択肢を

こしらえてくるかもしれませんので、注意しましょう。

 

会社法の規定はこのように

説明を読むだけでは「ふーん」と

何の疑問も持たずに読み進めてしまいがちで、

このように問題にされると

うろ覚えになりがちなところばかりなので、

過去問をチェックして

どのような問われ方をされるのかに気をつけて

注意深く条文を読んでいきましょう。

 

(株式の引受人の権利)

第五十条 発起人は、株式会社の成立の時に、

出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。

 

2 前項の規定により株主となる権利の譲渡は、

成立後の株式会社に対抗することができない。

 

発起人は出資の履行が完了したら、履帯なく

取締役等を選任しなければなりません。

 

設立時の役員等は

発起人の議決権の過半数で決定します。

 

定款で役員等を定めた場合は、

出資の履行が完了したときに

選任されたものとみなされます。

 

第三十八条 

発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、

設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。

 

4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、

設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、

設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、

出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、

設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。

 

(設立時役員等の選任の方法)

第四十条 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。

2 前項の場合には、発起人は、

出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。

ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、

一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。

3 前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が

種類株式発行会社である場合において、取締役の全部又は

一部の選任について議決権を行使することが

できないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、

当該種類の設立時発行株式については、発起人は、

当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。

4 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における

前項の規定の適用については、同項中「、取締役」とあるのは

「、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役」と、

「当該取締役」とあるのは「これらの取締役」とする。

5 第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役及び

設立時会計監査人の選任について準用する。

 

そして、

本店の所在地において登記をすることにより、

株式会社のできあがりです。

 

(株式会社の成立)

第四十九条 

株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

 

 

ということで、今回は株式会社の発起設立について説明してまいりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

商法・会社法をわかりやすく解説トップへ

試験対策・要点まとめコーナートップへ


行政書士試験にわずか147日で合格した勉強法

行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本


スポンサードリンク

関連記事