土地は、次のように分類されます。
山麓部、丘陵地、台地、段丘、低地部、
干拓地、埋立地。
宅建士試験においては、
それぞれの特徴について端的に問われますので、
それぞれの特徴をおさえておきましょう。
山麓部
山麓部は、山の裾野に広がった部分で、
水の便や水はけも良いので、
傾斜が緩やかな場合は
宅地に適しているといえます。
しかし、古い土石流の堆積でできた部分は崩れやすく、
地すべりによってできた部分は
再び地すべりが起こる危険性があり、
谷の出口にあたる部分は鉄砲水の危険もあり、
住宅地としての利用は避けるべき
と考えられています。
丘陵地・台地・段丘
丘陵地・台地・段丘は、
水はけがよく、地耐力もあり、
洪水、地震に対する安全性も比較的高いので、
宅地として好条件な土地と考えられています。
丘陵地
丘陵地とは、比較的低く
ゆるやかな起伏の山が続く地形です。
丘陵地は地下水位が浅く、
砂質土で形成された地盤は、
地盤による液状化の可能性が高いです。
丘陵地内の小さな谷間は、
一般的に地盤が軟弱であることが多く、
このような土地を埋土して造成された土地は、
地盤沈下や排水不良を生じることが多いです。
丘陵地の縁辺部では、集中豪雨等のときに、
崖崩れを起こす危険性があります。
丘陵地を切土と盛土により造成した地盤の場合は、
その境目では地盤の強度が異なるため、
不同沈下(建物が不揃いに沈下を起こすこと)が
起こりやすいです。
台地
台地とは、盆地や平野で、
周囲より一段と高い地形をいいます。
地表面は平担で、よく締まった砂塵、
硬粘土からなり、
地下水位も深い地盤です。
一般的に、水はけがよく、
地盤にも地耐力があるので、
洪水や地震に対する安全性も比較的高く、
宅地に適している土地と考えられ、
宅地や農地に利用されることの多い土地です。
ただし、台地上の浅く広い谷間は、
集中豪雨等のときに、水につかる危険性があります。
また、台地内の小さな谷間は、
軟弱地盤であることが一般的に多く、
このような土地を埋土して造成された宅地においては、
地盤沈下や排水不良を生じることが多いといえます。
台地の縁辺部では、集中豪雨等のときに、
崖崩れを起こす危険性があります。
台地を切土と盛土により造成した地盤の場合は、
その境目では地盤の強度が異なるため、
不同沈下が生じやすい危険性があります。
段丘
段丘とは、海岸または湖岸に沿って
平坦地と急崖が階段状に配列している地形で、
地表面は比較的平坦であり、
よく締まった砂礫・硬粘土からなり、
地下水位は比較的深い地盤で
一般的に、水はけもよく、
地盤が安定しており、洪水や地震にも強く、
宅地として適しています。
低地部
低地部は、一般的には洪水、津波、地震に弱く、
防災的な見地から、宅地としては好ましくないと
考えられています。
ただし、低地の中でも扇状地は、
山地から河川により運ばれてきた砂礫等が堆積し、
谷の出口などに扇状に平坦地になった地盤で、
構造物の基礎について十分な支持力があり、
災害に対して比較的安全といえます。
低地の川沿いに洪水によって
土砂等が堆積してできた微高地(自然堤防)、
旧天井川等も比較的地盤は安定し、安全といえます。
低地の中でも、低いデルタ地域、
旧河道(昔、川だったところ)、
自然堤防などに囲まれた後背低地などは、
洪水、地震、いずれにも弱く
宅地としては好ましくないと考えられています。
低地部か宅地に適しているかどうかの区別は、
砂礫質の微高地で地盤が安定しているかどうかに
よって区別することができます。
干拓地・埋立地
干拓地は、排水が非常に悪く地盤が軟弱で、
洪水や地震に弱く、不同沈下を起こしやすく、
地震の際には液状化現象を起こしやすいため、
宅地としては好ましくありません。
(干拓地は、主に農地として用いられます)
埋立地は、工事がしっかりしていれば、
宅地としての利用もじゅうぶん可能ですが、
高潮、津波の常襲地帯などでは、
住宅地、商業地としての利用は危険が想定されます。
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