宅建免許の欠格要件について

宅建免許を受けることのできない欠格要件は、

形式的欠格要件と実質的欠格要件に分類されます。

 

宅建免許の形式的欠格要件

申請書や添付書類について、重要事項について記載漏れがある場合や、

虚偽の記載がある場合、免許が拒否されます。

なお、虚偽の記載をして申請した場合は、免許が拒否されるとともに、

100万円以下の罰金に処せられます。

 

宅建免許の実質的欠格要件

宅建業の免許を受けることのできない者については、

宅建業法の5条1項に列挙されていますので、

すべての欠格要件は条文や

お手持ちのテキスト等を参照していただくことにして、

今回は宅建士試験において、何度も問われている点を中心に

試験対策を念頭において説明します。

 

成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ないもの。

(被補助人、未成年者は欠格事由に含まれていないことに注意)

これらの者は復権を得れば、翌日から免許を受けることができますので、

以下に説明する「~から5年を経過しないもの」

と区別してしっかり覚えておきましょう。

 

・宅建業法66条1項8号または9号に該当することにより

(不正の手段で免許を受けた場合などです。

詳しくは条文をご確認ください)

免許を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者は

免許を受けることができません。

 

また、免許を取り消されたのが法人の場合は、

その取消しにかかる聴聞の期日・場所の公示日前60日以内に

その法人の役員であった者も免許を受けることができません。

 

また、免許取消処分の聴聞の期日・場所の公示日から

処分をするかしないかを決定するまでの間に解散、廃止(廃業)の

届出をして処分を免れた者で、届出の日から5年を経過しないものも

免許を受けることができません。

(ただし、解散、廃業をするについて相当の理由がある者は除きます)

 

禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、

または、刑の執行を受けることが

なくなった日から5年を経過しない者

 

・宅建業法もしくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する

法律の規定に違反したことにより、または傷害罪、傷害現場助勢罪、

暴行罪、凶器準備集合及び結集罪、強迫罪、背任罪の罪、

もしくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、

罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、

または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

 

これらの罪は「罰金の刑」が欠格事由となりますが、

その他の罪で罰金の刑を処せられた場合は、

「禁錮以上」の刑ではないので、欠格事由とはなりません。

何の罪で罰金の刑で欠格事由に該当するのか、

しっかりとおさえておきましょう。

 

・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律2条6号に規定する

暴力団員または同号に規定する

暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

 

・免許申請前5年前以内に宅建業に関し、

不正または著しく不当な行為をしたもの

 

・宅建業に関し、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者

 

・宅建業に係る営業に関し、成年者と

同一の行為能力を有しない未成年者で、

法定代理人にが上記の欠格事由に該当する者

「成年者と同一の行為能力を有する未成年者とは、

例えば婚姻をして成年擬制された未成年者です。

この点は民法の知識ですので、民法の成年擬制についても

しっかりおさえておきましょう。」

 

・法人で、その役員または政令で定める

使用人が上記の欠格事由に該当するもの

 

・個人で、政令で定める使用人が上記の欠格事由に該当するもの

 

・暴力団員等がその事業活動を支配するもの

 

・法定数の専任の宅地建物取引士を置いていない者


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