今回は領収書について、法律の意味合いを交えつつ
解説していきたいと思います。
領収書とは、弁済の受領者が
債務の弁済を証明するために発行する書類です。
弁済した側は弁済した事を証明でき、
弁済してもらった側は受け取った事を証明できます。
では、領収書は
必ず発行しなければならないかといえば、
そうではありません。
ただし、債務者が領収書の発行を求めた場合は、
債権者には発行しなければならない義務が発生します。
(受取証書の交付請求)
第四百八十六条
弁済をした者は、
弁済を受領した者に対して
受取証書の交付を請求することができる。
さらにこちらの条文をご覧ください。
(同時履行の抗弁)
第五百三十三条
双務契約の当事者の一方は、
相手方がその債務の履行を提供するまでは、
自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
相手が履行するまで、こちらも履行しなくてよいという
「同時履行の抗弁権」を規定した条文ですが、
領収書の発行と、債務の弁済も同時履行の関係にあります。
要は、「領収書を発行してくれないなら債務を弁済しない」
という主張が合法的にまかり通るという事です。
合法的にまかり通るという事は、
この主張をして弁済を拒めば、
履行履帯に陥らないという事です。
履行遅滞に陥らないという事は、
この主張をして、
返済期日が過ぎても遅延損害金などを
払う必要もないという事です。
※領収書の日付は発行日ではなく
債務を受領した日を書くようにしましょう。
なお、「領収書」という名前でなくても、
「受領書」「取引明細書」などといった名前でも、
債務の弁済を受けたことが明確に記されていれば、
領収書としての法的な意味を持ちます。
領収書には債務の二重払い防止の働きも
ありますし(返した返してないの水掛け論を防ぐ)
経理事務や税金申告の書類として重要な働きがあります。
ですので宛名が「上様」ですと
税務署に経費として認められない場合もありますので、
名前を書いてもらいましょう。
なお、本名が「上」さんの場合は
上様でも税務署も理解してくれると思います。
その場合はフルネームで書いてもらうと、
なおよいかと思います。
という事で、今回は領収書について、
法律がらみの面も含めて説明させていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
・行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本
スポンサードリンク
関連記事