【憲法】平等選挙、一票の価値の平等についての
試験対策の要点をまとめました。
行政書士試験レベルを想定していますが、
他試験にも共通する基本で重要なポイントですので、
他試験受験者の方も活用いただけると思います。
平等選挙とは
日本国憲法では、選挙人の資格を
人種、信条、性別、社会的身分、
門地、教育、財産、収入によって
差別してはならないと定め、
1人1票を平等に扱わなければならないとしています。
これは、ただ単に「1人一票」を
持っているというだけではなく、
選挙区割と議員定数の配分の下における
「一票の価値の平等」も要求するものです。
一票の価値の格差を
完全に均一にするのは現実的に難しいので、
どのぐらいの格差までを許容するかが問題となります。
裁判所がその判断をすることになりますので、
判例の判断が注目されるところですが、
許容される格差がどんどん小さくなっている傾向にあります。
2011年の判決までは、
衆議院議員選挙では1票の価値が1対3、
参議院議員選挙では1票の価値が1対6を超えたときに
違憲の程度となると判断されると
考えられていたのですが、
2011年(平成23年)3月23日の判決で
衆議院議員選挙で1対2.304で違憲と判断され、
その後2015年(平成27年)11月25日の判決では
1対2.129で違憲と判断されました。
参議院議員選挙では、
2012年(平成24年)10月17日の判決で1対5.00で違憲、
2015年(平成27年)11月25日で1対4.77で
違憲と判断されています。
一票の価値が不平等と判断された場合どうなるか
一票の価値が違憲の状態にあると判断された場合でも、
直ちにその選挙が違憲と判断されるわけではありません。
判例は、違憲の程度に達してから、
合理的な期間内に是正がされない場合に、
違憲であるとしています。
合理的期間内に是正がされず、
違憲とされた場合でも、
その選挙が無効となるわけではありません。
(無効とすると、
その選挙で当選した議員全員が議員の資格を失い、
その議員でそれまで議決した事項の効力を失わせるとなると、
影響が大きすぎて現実的ではありません…。)
違憲と判断された場合は、判決では、
選挙が違法である旨を主文で宣言するものの、
選挙の無効の訴えを棄却するという、
行政事件訴訟法の「事情判決」
の法理の形で帰結します。
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