リラックス法学部 憲法をわかりやすく解説 >議院の権能・国政調査権とは?

 

衆議院、参議院、両議院に共通の権能には、

次のようなものがあります。

 

・議員の資格争訟の裁判

・役員の選任権、議院規則制定権、懲罰権

・国政調査権

 

これらは、

憲法の55条、58条1項・2項、

62条に規定されています。

 

・議員の資格争訟の裁判

第五十五条  両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。

但し、議員の議席を失はせるには、

出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 

・役員の選任権、議院規則制定権、懲罰権

第五十八条  両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。

○2  両議院は、各々その会議その他の手続及び

内部の規律に関する規則を定め、又、

院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。

但し、議員を除名するには、

出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 

・国政調査権

第六十二条  両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、

証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

 

国政調査権は、立法権、行政権に対する監督権を行使するために

必要な調査を行う権限で、議院の権能を行使するために

認められた補助的権能と考えられています。

 

 

この国政調査権は、国政のほぼ全般が対象となりますが、

対象・調査方法が無制限に認められるわけではありません。

 

例えば、司法権に対する調査では、

裁判内容に批判的な調査は許されず、

立法目的、行政監督目的といった、

裁判所と異なる目的であれば調査できます。

 

行政権の作用に対しては

その合法性・妥当性全面的に国政調査権

の対象となります。

 

つまり、法律に適合するかどうかという点はもちろん、

法律に適合していても内容が妥当かどうかという点についても

調査の対象となるというわけです。

 

検察権に対しては、検察は行政権に属するので、

原則として、調査権の対象となりますが、

検察は裁判と密接に関係するために、

司法権に対する調査と同様、

一般行政より制約がかかると考えられます。

 

(検察が起訴すると、正直ほぼ100%近く有罪になるのが、

日本の現状です。

つまり検察に影響を及ぼす事は、

事実上、司法権(裁判所)に影響を

及ぼすのと同じ事になりますので、

その調査権がどこまで許容されるかは

デリケートになるわけです。)

 

また、国民の権利・自由を侵害する手段・方法による

国政調査は認められません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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