リラックス法学部 >祝・ドラマ化「極悪がんぼ」特設ページ>田島隆「カバチ流人生指南 弱者はゴネて、あがいて、生き残れ!」の感想文
漫画「カバチタレ!」「極悪がんぼ」などの
原作者・田島隆先生がつづった自伝
「カバチ流人生指南 弱者はゴネて、あがいて、生き残れ!」
の感想文をつづっていきたいと思います。
まず「カバチタレ」とは広島弁で
「屁理屈たれ」といった意味で、
「がんぼ」は「わんぱく、悪ガキ」といったニュアンスです。
これら田島先生の代表作のタイトル、
また、その作品の内容をご存知の方は、
「カバチ流人生指南 弱者はゴネて、あがいて、生き残れ!」
というタイトルを見た時に、
「屁理屈で無理を通して、他人にねじ込んで、
この社会の荒波から自分の利をつかみとって生き残れ」
というニュアンスを感じ取るかもしれませんが、
田島先生のメッセージは全くそういう事ではありません。
この作品は、冒頭で
「人は、若いうちの苦労は買ってでもしろ、と言う。
だけど、ボクは否定する。
しなくてすむ苦労はしないに越したことはない」
という田島先生の言葉から始まり、
生い立ち、環境、その時の心情の描写と、
現状を打破するために馬車馬のように働きながら、
知恵をしぼって時間を捻出して法律を学んで、
闘い続けた生き様をつづり、そして、
最後に読者の方に向けた言葉となっています。
最後まで読んだ時、タイトル、冒頭の言葉の真意が
理解できるかと思います。
冒頭の言葉は、
「法律や知識があれば、ムダな苦労をしなくても、
人生を賢く、ラクに生きられる」
という意味では決してなく、
「弱者はゴネて、あがいて、生き残れ!」
というタイトルも、
「屁理屈を他人や世の中にねじ込んで、自分の利をむしり取れ」
という意味ではまったくありません。
弱者が「ゴネて、あがく」対象は、
「自分」です。
自分が決めた限界、自分が置かれた環境、
自分が今できる事、できない事、
それに不満があるなら、
「自分の限界にゴネて、あがいて、闘い続けろ」
というメッセージと、
少なくとも私は受け止めました。
ちなみにこの作品の中で、私がもっともグッときた
田島先生らしい「カバチ」をひとつ
ご紹介します。
田島先生は海事代理士の試験に合格し、登録・開業し、
実務をこなす中、行政書士試験の受験を考えますが、
当時の行政書士試験には「高卒以上」という受験資格がありました。
例外として
「司法書士等の資格を有し、高校卒業者と
同等以上の能力があると県知事が認定する者には受験資格を認める」
となっていました。
高校を中退された田島先生は、
「海事代理士は司法書士等の『等』の中に入る」
と主張し、県知事に受験資格が認められたというものです。
このくだりはまさに、田島先生の「カバチ」という感じがして、
ニヤリとしてしまいました。
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これをお読みになり、
「ん?そんな大した事なの?」
と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、
受験案内を読んだ段階で「等」に目をつける方は、
なかなかいらっしゃらないのではないでしょうか?
「等」という文字を入れると、
幅を大きく持たせてしまう事になるので、
契約書や文書などの文言に「等」を
入れるか入れないかでかなりモメたりする事も
実際あったりします。
田島先生のように
「これも『等』に入る」という
「カバチ」の入り込む余地が
できてしまうからです。
逆を言えば相手に取って
デメリットの小さい例えに『等』をくっつけて
契約を結ばせて、デメリットの大きい要求を
『等』に入ると「カバチ」をたれて
ねじ込むという事もできてしまうわけです。
まあ、このような事で、田島先生の作品のイメージとリンクして
グッときてしまいました(笑)
また、冒頭の田島先生の
「しなくてすむ苦労はしないに越したことはない」
というお考えに私も大賛成です。
このサイトが法律を勉強する方にとって、
難しさ、わかりにくさ、つまらなさといった
「しなくてすむ苦労」
を減らすお手伝いができれば幸いです(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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