動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使

(平成10年12月18日最高裁)

事件番号  平成10(許)4

 

この裁判では、

動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

動産の買主がこれを他に転売することによって取得した売買代金債権は、

当該動産に代わるものとして動産売買の先取特権に基づく

物上代位権の行使の対象となる(民法304条)。

 

これに対し、動産の買主がこれを用いて

請負工事を行ったことによって

取得する請負代金債権は、仕事の完成のために用いられた材料や

労力等に対する対価をすべて包含するものであるから、

当然にはその一部が右動産の転売による

代金債権に相当するものということはできない。

 

したがって、請負工事に用いられた動産の売主は、

原則として、請負人が注文者に対して有する

請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく

物上代位権を行使することができないが、

請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や

請負契約における請負人の債務の内容等に照らして

請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による

代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、

右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を

行使することができると解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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