リラックス法学部 >民法初学者の部屋②債権各論・家族法(親族法・相続法) >不法行為の損害賠償、過失相殺についてわかりやすく解説

 

故意または過失によって

他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、

これによって生じた損害を賠償する責任を負います。

 

民法上の不法行為には

一般の不法行為と特殊の不法行為に分類されます。

不法行為成立の一般原則について定めたのが

一般不法行為の規定で、

特別の事情を考慮して修正を加えているのが

特殊の不法行為の規定となっています。

今回は一般的不法行為について解説していきます。

 

一般的不法行為

一般的不法行為の成立要件は、

加害者に責任能力と故意又は過失があり、

権利、法律上保護される利益への侵害に違法性があり、

それと因果関係のある損害があることです。

 

不法行為が成立すると、

被害者は加害者に対して損害の賠償を請求することができ、

その方法は原則として金銭による賠償です。

 

名誉毀損の場合は裁判所の請求により、

名誉回復のための適当な処分を命じる場合もあります。

 

不法行為による生命侵害の場合、被害者の父母、配偶者、子は

慰謝料を請求をすることができます。

 

不法行為の損害賠償と過失相殺について

裁判所は、被害者に過失があった場合には、

損害賠償の額の算定にあたりこれを考慮することができます。

 

(損害賠償の方法及び過失相殺)

第七百二十二条  

第四百十七条の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。

2  被害者に過失があったときは、裁判所は、

これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

 

不法行為による過失相殺は、

損害賠償の額を減額することはできますが、

不法行為責任を免除することはできません。

 

また、債務不履行の場合は裁判所は

必要的に過失相殺をしますが、

不法行為の場合は裁判所が過失相殺するかどうかは

任意(過失相殺しなくてもよい)です。

 

 

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

不法行為による損害賠償請求権は、

被害者(又はその法定代理人)が

損害及び加害者を知った時から、

三年間行使しないと消滅します。

 

行為の時から20年経過した場合も消滅します。

「損害及び加害者」というところに注意しましょう。

 

試験では「損害又は加害者…」

というふうなひっかけ問題が予想されますので

気をつけましょう。

 

「被害者にとって加害者を知らない時から

3年間の時効が進行してしまうのでは、

酷だ」と覚えるとよいかもしれません。

 

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)

第七百二十四条  

法行為による損害賠償の請求権は、

被害者又はその法定代理人が

損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、

時効によって消滅する。

不法行為の時から二十年を経過したときも、

同様とする。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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