リラックス法学部 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 >執行文付与とは?わかりやすく解説

 

強制執行を行うには、3つの要件があります。

 

1債務名義がある

2執行文の付与

3債務名義の債務者への送達

 

その中で今回は2の執行文について

説明していきます。

 

執行文

執行文とは請求権が存在し、

強制執行できる状態であることを公証するために、

債務名義の末尾に

裁判所書記官が付与する文言のことです。

 

「債権者○○は、債務者△△に対し、

この債務名義に基づき

強制執行することができる。」

というような文言が書かれた紙が

債務名義の末尾に貼り付けられて、

契印される形になります。

 

民事執行法の26条を見てみましょう。

 

(執行文の付与)

第二十六条 執行文は、申立てにより、

執行証書以外の債務名義については

事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、

執行証書についてはその原本を保存する公証人が付与する。

2 執行文の付与は、債権者が債務者に対しその債務名義により

強制執行をすることができる場合に、

その旨を債務名義の正本の末尾に付記する方法により行う。

 

という事で、執行文は

事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官

付与してもらう事になります。

 

「執行証書以外の債務名義については」

とありますが、

執行証書はその執行証書を作成した公証人に

執行文を付与してもらう事になります。

 

原則として、このように債務名義には

執行文を付与してもらう事になりますが、

例外として執行文が不要な債務名義があります。

 

次の債務名義は執行文が不要となります。

 

◯少額訴訟の確定判決

◯仮執行宣言を付した少額訴訟の判決

◯仮執行宣言を付した支払督促

 

簡易で迅速な債務名義の取得を目的とした制度なので、

少額訴訟関係と支払督促については

執行文付与が不要なのだと考えていただければよいかと思います。

民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説


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