リラックス法学部 >民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 >請求異議の訴え・第三者異議の訴えとは?わかりやすく解説
請求異議の訴え
執行法上は適法ではあるものの、
これを是認するのに十分な
実体法上の根拠が欠けている場合を不当執行といいますが、
請求異議の訴えとは、不当執行に対する債務者の救済手段の
代表的なものです。
請求異議の訴えとは、債務名義に係る
請求権の存在または内容に異議のある債務者が、
その債務名義による強制執行の不許を求める訴訟です。
例えば、典型的な例としては、
判決確定後に債務者が弁済したにもかかわらず、
強制執行が始まったしまったような場合に
不服を申し立てるような場合です。
裁判以外の債務名義については、
その成立に異議のある場合も提起することができます。
ただし、仮執行宣言付判決、
仮執行宣言付支払督促で、
確定前のものを対象とする
請求異議の訴えは認められません。
請求異議の訴えの異議事由は、
口頭弁論集結前に生じたものに
限られます。
和解や調停などの債務名義に対しては、
その成立の無効を争うことも可能です。
また、異議事由が数個あるときは、
債務者は同時にこれを
主張しなければなりません。
請求異議の訴えを提起しても、執行は停止しませんが、
執行を停止させるための手続があります。
請求異議の訴えの提起があった場合において、
異議のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、
事実上の点について疎明があつたときは、
受訴裁判所は、申立てにより、
終局判決において次条第一項の裁判をするまでの間、
担保を立てさせ、若しくは立てさせないで
強制執行の停止を命じ、又はこれとともに、
担保を立てさせて強制執行の続行を命じ、
若しくは担保を立てさせて
既にした執行処分の取消しを命ずることができます。
急迫の事情があるときは、裁判長も、
これらの処分を命ずることができます。
(同様の手続が、第三者異議の訴えの場合にも
準用されています。)
第三者異議の訴え
第三者異議の訴えとは、強制執行の目的物について
所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者が、
債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために提起する
訴訟のことです。
要は他人の債務のために、自分のモノに強制執行された第三者が
「それは私のものだからやめてくれ」という訴えです。
管轄は執行裁判所です。
第三者異議の訴えは、
特定の目的物についての強制執行の不許を求めるもので、
債務名義自体の執行力が排除されるものではありません。
ですので債権者は、
この訴えに敗訴しても債務者の他の責任財産に対して
強制執行をすることができます。
請求異議の訴えは、債務名義の執行力の排除を目的とし、
これに敗訴した債権者は同一の債務名義に
基づいて強制執行できないこと
異なる点です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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