安全配慮義務は、

最高裁判所の判例(昭和50年2月25日第三小法廷判決)により

定立された概念です。

 

その裁判では

【国は、公務員に対し、

国が公務遂行のために設置すべき場所、

施設もしくは器具等の設置管理又は公務員が

国もしくは上司の指示のもとに遂行する公務の管理にあたつて、

公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう

配慮すべき義務(以下「安全配慮義務」という。)

を負つているものと解すべきである。】

としています。

 

安全配慮義務は国と公務員の関係だけでなく、

会社と社員(使用者と被用者)の間でも、

雇用契約書や就業規則などに明示されていなくても、

雇用契約の締結に伴って、

会社が当然に負うべきものとされています。

 

労働関係における安全配慮義務については、

2008年(平成20年)3月施行の労働契約法において、

労働契約上の付随的義務として当然に使用者が

義務を追うことが明示されました。

 

労働契約法第5条は、

【使用者は、労働契約に伴い、

労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ

労働することができるよう、

必要な配慮をするものとする。】

としています。

(厚生労働省の通達により、

「生命、身体等の安全」には、

精神的な健康も含まれることとされています。)

 

使用者が安全配慮義務に違反し、

労働者が損害を被った場合、

使用者は損害賠償責任を負うことになります。

 

近年では、雇用契約関係以外でも

学校事故や医療事故などにおいても

安全配慮義務が認められるようになってきています。


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