リラックス法学部 >リラックス解説 >制限行為能力者 成年被後見人、被保佐人、被補助人についてわかりやすく解説
今回はそれぞれの規定が
ごちゃごちゃになってしまいがちの
成年被後見人 被保佐人 被補助人の違いを
ハッキリさせるための
説明をしていきたいと思います。
成年被後見人
まずは成年後見人です。
第七条
精神上の障害により事理を弁識する能力を
欠く常況にある者については、
家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、
未成年後見人、未成年後見監督人、
保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は
検察官の請求により、
後見開始の審判をすることができる。
(成年被後見人の法律行為)
第九条
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。
ただし、日用品の購入その他
日常生活に関する行為については、この限りでない。
成年被後見人の行為は、
後見人の同意があろうがなかろうが、
取り消す事ができる
ということに注意しましょう。
成年後見人に同意権がある
という状況はありません。
成年被後見人は
法定代理人の成年後見人がつきます。
「同意」ではなく、
「代理」して行います。
行政書士、司法書士、弁護士などが
成年後見人になる場合が多いですが、
これらの者が通帳やらハンコやら預かって、
成年被後見人の代理で法律行為を行います。
成年被後見人は事理を弁識する能力を
欠く常況にある者
ですから、同意をもらって
自分で行動などできないのです。
逆に、保佐人・補助人は
代理権がないのが原則です。
被保佐人・被補助人
被保佐人は
13条に列挙されている行為の全部
被補助人は
13条に列挙されている行為の一部
について、同意をもらわなければ
有効に法律行為をすることができない
というのが原則です。
第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、
その保佐人の同意を得なければならない。
ただし、第九条ただし書に
規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を
目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)
第二条第一項 に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、
負担付贈与の申込みを承諾し、
又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
※こちらに列挙されているもの以外の行為は、
原則として保佐人・補助人ともに
単独ですることができますが、
保佐人の場合これに追加することもできます。
「日用品の購入その他日常生活に関する行為」
は成年被後見人、被保佐人、被補助人とも
単独でする事ができます。
補助人を選任するのあたって
「本人以外の者の請求により
補助開始の審判をするには、
本人の同意がなければならない。」
というものがあります。
保佐人の場合は
本人の同意が不要
であることと比較しましょう。
また、保佐人・補助人には代理権がないのが原則ですが、
例外的に代理権を付与する審判をすることができます。
この場合、本人以外の者が請求する場合は、
保佐人・補助人どちらの場合も、
本人の同意が必要
ということに注意しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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