リラックス法学部 コラム >法律のめんどくさいモノの覚え方

 

民法などの実生活に近い法律は

イメージもしやすいのですが、

会社法などのルールを覚える作業は

イメージも湧きづらく、

面倒になったりするかと思います。

 

例えば「株主総会の招集は、

原則株主総会の2週間前までにしなければならない」

とあって、これだけだったらいいのですが、

実はこれだけでの知識では足りません。

 

「公開会社でない株式会社の場合は1週間前まで」

 

「公開会社でない株式会社で、

取締役会を設置しなければ、

さらに短い期間を定款で定めることが可能」

 

「株主全員の同意があれば招集省略可能。

ただし書面による議決権行使、

電磁的方法による議決権行使を

認める場合は省略不可」

 

「書面で議決権行使できることか、

電磁的方法で議決権行使できること

を定めた場合、取締役会設置会社の場合は

書面で通知をしなければならない」

 

「書面での通知は株主の承諾を得て

電磁的方法にすることができる」

 

「議決権行使できる株主が

1000人以上の場合は書面による議決権行使を

認めなければならない」

 

といったものが1セットになって、

この箇所を問われた時に正解に

たどりつけます。

 

あー、めんどくさいですね…(笑)

 

しかし、

 

あなたがめんどくさいと思うものは、

誰でもめんどくさいと思うのです。

 

そして、

 

あなたが楽チンと思うものは、

誰でも楽チンと思うのです。

 

 

合格率が10%以下の試験で、

合格ラインに到達するには、

 

9割以上の人間が面倒くさいと思うことを

丁寧にこなす必要があるわけです。

 

出題者にとっても、このように色々なパターンがあれば、

しっかり勉強した人を振り分けるための問題が作りやすく、

出題したくなるはずです。

 

ですから、めんどくさいポイントと出くわしたら、

そこが合否を分けるポイント、

チャンスだと思いましょう。

 

「世の中の9割以上の人は、

めんどくさがってナアナアにするだろう。

だが、私は、やる!」

 

と、めんどくささをモチベーションに

変えてしまえばよいのです。

 

 

合格率が10%以下のような試験を抜け出すには、

大多数の人ができない事ができる必要があるわけですが、

それは知識量ではなく、知識の精度においてです。

 

9割の人が読まない難しい本を読む必要はありません。

9割の人ができない、

面倒な基礎の徹底をすることです。

 

と、まずは精神論をお話しました。

こういったモチベーションを持ちつつ、

いざ、先ほどの問題にもう一度向き合ってみましょう。

 

「株主総会の招集は、

原則株主総会の2週間前までにしなければならない」

 

「公開会社でない株式会社の場合は1週間前まで」

 

「公開会社でない株式会社で、取締役会を設置しなければ、

さらに短い期間を定款で定めることが可能」

 

「株主全員の同意があれば招集省略可能。

ただし書面による議決権行使、電磁的方法による議決権行使を

認める場合は省略不可」

 

「書面で議決権行使できることか、

電磁的方法で議決権行使できること

を定めた場合、取締役会設置会社の場合は

書面で通知をしなければならない」

 

「書面での通知は株主の承諾を得て

電磁的方法にすることができる」

 

「議決権行使できる株主が

1000人以上の場合は書面による議決権行使を

認めなければならない」

 

 

相変わらずめんどくさいと思いますが(笑)

 

1つ1つ文字を頭に詰め込むのではなく、

状況をイメージしてみましょう。

 

あなたが株主自分、取締役自分の

1人で株式会社を作った場合をイメージしてみるのです。

 

公開会社でない株式会社で作るから、

招集通知は1週間前まででOK。

しかも取締役会(取締役会は取締役3人以上必要)も

設置しないから、さらに定款で短縮できるな。

 

というか自分で自分に通知とかいらないだろ。

株主全員(自分)の承諾で省略可。

 

今度は自分が上場企業の株主に

なったことを想像してみます。

 

株主総会に出席してみたいな、

2週間前までには連絡こないと

スケジュール厳しいよな。

 

あ、株主1000人以上いると書面でも

議決権行使できるのか。

 

書面で議決権ってことは、投票用紙みたいなのを、

ダイレクトメールで通知とともに、

いれてくるのかな?

 

電磁的方法って、メールでもOKか。

じゃあ、通知もメールでくるのかな…

 

これら、「書面、電磁的方法の議決権行使できる場合は、

株主全員の同意で省略不可」というのも、

これだけの人数の全員の同意は現実的でないし、

全員の同意得るより、

通知出しちゃった方が遥かにラクそうだしな…

 

と、このように妄想を膨らませて、

文字の情報を映像にして印象に残し記憶するのです。

その妄想が現実離れしていても別に構いません。

 

そして次は理論的なイメージもしてみましょう。

 

取締役会設置会社が必ず書面での

議決権行使を認めなければならない

とされている理由は何故だろう?

 

と素朴な疑問を抱いて考えてみるのです。

 

取締役会を設置する場合というのは、

株主がたくさんいて、

その株主(しかも投資目的の)たちの株主総会で、

会社の組織運営や経営戦略を決めていたのでは、

メチャクチャなものになる危険性もありますし、

効率もよくないだろう。

 

そこで、そういった組織運営や

経営戦略は会社の取締役たちで組織

する取締役会で決定した方が何かと

都合がよいということで、設置するのだろう。

 

という事で、取締役会が設置される会社は、

まず「株主が多い」ということだろう。

株主が多いから全員の都合が合わないだろうし、

会場に全員入りきるかもわからない。

 

だから「書面での議決権行使を認めることが必要」

としているのだろう。

とイメージするのです。

 

「議決権を行使できる株主が1000人以上の場合に

書面の議決権行使を認めなければならない」

という規定がありましたが、

同様に「取締役会が設置されるということは…」

と考えればイメージが湧きやすいのではないでしょうか。

 

このようにとにかく文字を文字で終わらせるのでなく、

イメージをして頭の中で映像を作ってみてください。

 

取締役会ならば、

「半沢直樹」の取締役会の様子を

想像してみてもいいでしょう。

 

イメージをしながら

ニュースやドラマを観るということもアリです。

 

そこでの疑問点を条文やテキストでチェックすることで、

知識の記憶がたくましくなっていきます。

 

イメージするに知識が足りなければ、

言葉をググって調べたり、

画像を検索してみてもいいでしょう。

 

このような事を繰り返すことで、

制度趣旨も理解できますし、記憶に残ります。

 

試験でも、文字だけの記憶は

忘れたらキレイに消えてしまいますが、

映像の記憶は糸口が見つかれば

辿れる可能性があります。

 

と、このように

「めんどくさいことは上位10%以上に入るチャンス」

というモチベーションで、

イメージをしながら勉強に取り組んでいただければいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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