刑法の謙抑性・補充性・断片性を

わかりやすく解説します。

 

刑罰という制裁は、資格を制限したり、

犯罪者としての烙印を押されることによって

社会的信頼の損失など、非常に強力なものです。

 

ですから、何を犯罪とし、本当にその対象を刑罰をもって

抑止する必要があるのか、

という点は慎重に判断しなければならないことになります。

 

刑法は権利・自由を奪う非常に強力なものなので、

刑罰はなるべく必要最低限に規定・執行されるべきで、

最後の手段でなくてはならない。

そのため刑法は補充の形で登場すればよい

という考え方を刑法の謙抑性・補充性といいます。

 

また、刑法は重要な法益侵害であっても、

網羅的にすべてを刑罰の対象としてはならない、

重要な法益を選んで保護しなくてはならない。

という考え方を刑法の断片性といいます。

(網羅的になることで刑罰の集中化が起こり、

刑事機能のマヒとなりかねない。

という実務的な問題もあります)

 

例えば、通常の債務不履行のようなものは

民事賠償で足り、営業免許の停止や取消しで

制裁として足りる場合は、

あえて刑罰を科す必要はないという考え方です。

 

また、軽微な道交法違反などの場合の、

交通反則金の制度も行政罰による

刑事罰の代替の一例です。

 

 

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