リラックス法学部 >刑法をわかりやすく解説 >保護主義とは?
刑法の2条は「保護主義」を規定しています。
第二条 この法律は、日本国外において
次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
保護主義とは、
犯人の国籍や犯罪が行われた場所のいかんを問わず、
自国または自国民の利益を保護するのに
必要な限りで自国の刑法が
適用されるというものです。
内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助、
通貨偽造、公文書偽造、有価証券偽造等、偽造有価証券行使等、
などといった内乱や通貨偽造等の犯罪に適用されます。
刑法2条に以下のように列挙されています。
(すべての者の国外犯)
第二条 この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
一 削除
二 第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)の罪
三 第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、
第八十七条(未遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪
四 第百四十八条(通貨偽造及び行使等)の罪及びその未遂罪
五 第百五十四条(詔書偽造等)、第百五十五条(公文書偽造等)、
第百五十七条(公正証書原本不実記載等)、第百五十八条(偽造公文書行使等)及び
公務所又は公務員によって作られるべき電磁的記録に係る
第百六十一条の二(電磁的記録不正作出及び供用)の罪
六 第百六十二条(有価証券偽造等)及び第百六十三条(偽造有価証券行使等)の罪
七 第百六十三条の二から第百六十三条の五まで
(支払用カード電磁的記録不正作出等、不正電磁的記録カード所持、
支払用カード電磁的記録不正作出準備、未遂罪)の罪
八 第百六十四条から第百六十六条まで(御璽偽造及び不正使用等、
公印偽造及び不正使用等、公記号偽造及び不正使用等)の罪並びに
第百六十四条第二項、第百六十五条第二項及び第百六十六条第二項の罪の未遂罪
外国人が外国で行った犯罪にも適用され、
外国において有罪判決を受けた者に
同一の内容について更に日本で処罰することも可能です。
ただし、犯人が外国において
言い渡された刑の一部または全部の執行を
受けた場合は、刑の執行を軽減または免除します。
(外国判決の効力)
第五条
外国において確定裁判を受けた者であっても、
同一の行為について更に処罰することを妨げない。
ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の
全部又は一部の執行を受けたときは、
刑の執行を減軽し、又は免除する。
なお、このような取扱いは憲法39条が規定する
二重の処罰の禁止の規定に
抵触するものではないとされています。
・行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本
スポンサードリンク
関連記事