リラックス法学部 >刑法をわかりやすく解説 >観念的競合・牽連犯とは?科刑上一罪についてわかりやすく解説

 

科刑上一罪とは

複数の犯罪が成立している場合に、

刑の言い渡しではひとつの犯罪として扱われるものを、

科刑上一罪(かけいじょういちざい)といいます。

 

第五十四条  一個の行為が二個以上の罪名に触れ、

又は犯罪の手段若しくは結果である行為が

他の罪名に触れるときは、

その最も重い刑により処断する。

 

「一個の行為が二個以上の罪名に触れ」

る場合を観念的競合

 

「犯罪の手段若しくは結果である行為が

他の罪名に触れるとき」

を牽連犯といいます。

 

科刑上一罪には、観念的競合という場合と、

牽連犯という場合があるわけです。

 

観念的競合とは?

一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合

観念的競合といいます。

 

例えば、

職務中の警察官を殴ってケガさせた場合は、

公務執行妨害罪と傷害罪の観念的競合になります。

 

警察官を殴るという1つの行為が

2つの犯罪に当てはまるというわけです。

 

他には例えば、殺意を持って

家族で使うポットに毒を仕込んだ場合も、

被害者の数に応じた観念的競合となります。

 

牽連犯とは?

「犯罪の手段若しくは結果である行為が

他の罪名に触れるとき」を牽連犯といいます。

 

例えば、他人の住居に侵入して物を盗んだ場合は、

住居侵入罪と窃盗罪の牽連犯となります。

 

窃盗の目的で、住居侵入したわけですが、

住居侵入自体が罪名に触れる(それ自体が犯罪)

というような場合です。

 

他には、他人名義の文書を偽造して

財物をだまし取った場合は、

文書偽造罪と詐欺罪の牽連犯となります。

 

このように、科刑上一罪には

観念的競合と牽連犯があるわけですが、

これらの場合、その最も重い刑により処断されます。

 

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