下請負人の被用者の起こした事故につき元請負人が運行供用者責任を負うか

(昭和50年9月11日最高裁)

事件番号  昭和49(オ)602

 

この裁判では、

下請負人の被用者の起こした事故につき

元請負人が運行供用者責任を負うかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

原判決が適法に確定したところによると、

上告人A2トラツク株式会社(以下上告人A2という。)及び

上告人A1運輸株式会社(以下上告人A1運輸という。)は、

いずれも貨物運送を業とする会社であるが、

上告人A2は昭和42年11月ごろから上告人A1運輸より

その保有する貨物自動車を傭車してきたところ、

あらたに長野県下及び山梨県下に所在する上告人A2の

各営業所相互間における定期路線運送を開設したことにともない、

昭和43年5月はじめごろから、上告人A1運輸所有の

本件加害車を運転手付きで右定期路線運送用として

借り上げ、右各営業所において上告人A2が荷主から

注文を受けた荷物の運送にあたらせるようになり、

本件事故も、加害車が同上告人のa営業所からb営業所に赴く

途中で発生したものであり、

右定期路線を運行するにあたって加害車は、

同上告人が発行する運行表の指示するコース、

スケジユールに従い、また、

各営業所における荷積及び荷降も、

必ず同上告人の係員の立会と荷物の確認をうけておこなうなど、

もっぱら同上告人の指揮監督に服して

右定期路線の運送業務に従事していたものであり、かつ、

同上告人が運送依頼者から受け取る運賃のうち

40パーセントをみずから取得し、

残余の60パーセントを上告人A1運輸が

取得する約定であったというのであって、

右事実関係のもとにおいては、

本件事故当時の加害車の運行は、

上告人A2の支配のもとに、

同上告人のためになされたということができ、

同上告人は自動車損害賠償保障法3条の

運行供用者責任を負うものというべきであり、

これと同旨の原審の判断は正当として是認することができる

 

所論のように上告人A1運輸が上告人A2に対し

専属的、従属的関係に立つものではなく、

下請負人として加害車を運行の用に供していたものとしても、

右のように認めることの妨げとなるものではない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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