損害賠償請求権が第三者に転付された場合と自動車損害賠償保障法16条1項の請求

(平成12年3月9日最高裁)

事件番号  平成9(オ)992

 

この裁判では、

損害賠償請求権が第三者に転付された場合と

自動車損害賠償保障法16条1項に基づく

被害者の保険会社に対する

損害賠償額支払請求権の帰すうについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

交通事故の被害者の保有者に対する損害賠償請求権が

第三者に転付された後においては、

被害者は転付された債権額の限度において

自賠法16条1項に基づく責任賠償金の

支払請求権を失うものと解するのが相当である。

 

けだし、自動車損害賠償責任保険は、

保有者が被害者に対して

損害賠償責任を負担することによって被る損害を

てん補することを目的とする責任保険であり、

自賠法16条1項は、被害者の損害賠償請求権の行使を

円滑かつ確実なものとするため、

右損害賠償請求権行使の補助的手段として、

被害者が保険会社に対して直接に責任賠償金の支払を

請求し得るものとしているのであって

(最高裁昭和60年(オ)第217号平成元年4月20日

第一小法廷判決・民集43巻4号234頁参照)、

その趣旨にかんがみれば、自賠法16条1項に基づく

責任賠償金の支払請求権は、被害者が保有者に対して

損害賠償請求権を有していることを前提として

認められると解すべきだからである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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