新株発行差止めの仮処分命令に違反の新株発行の効力

(平成5年12月16日最高裁)

事件番号  平成1(オ)666

 

この裁判では、

新株発行差止めの仮処分命令に違反の新株発行の効力について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

商法280条ノ10に基づく新株発行差止請求訴訟を本案とする

新株発行差止めの仮処分命令があるにもかかわらず、

あえて右仮処分命令に違反して新株発行がされた場合には、

右仮処分命令違反は、同法280条ノ15に規定する

新株発行無効の訴えの無効原因となるものと解するのが相当である。

 

けだし、同法280条ノ10に規定する新株発行差止請求の制度は、

会社が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正な方法によって

新株を発行することにより従来の株主が

不利益を受けるおそれがある場合に、

右新株の発行を差し止めることによって、

株主の利益の保護を図る趣旨で設けられたものであり、

同法280条ノ3ノ2は、新株発行差止請求の制度の実効性を担保するため、

払込期日の二週間前に新株の発行に関する事項を公告し、

又は株主に通知することを会社に義務付け、

もって株主に新株発行差止めの仮処分命令を得る機会を与えていると

解されるのであるから、この仮処分命令に違反したことが

新株発行の効力に影響がないとすれば、

差止請求権を株主の権利として特に認め、

しかも仮処分命令を得る機会を株主に与えることによって

差止請求権の実効性を担保しようとした

法の趣旨が没却されてしまうことになるからである。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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