住居侵入,強盗致傷被告事件(共犯関係の解消)
(平成21年6月30日最高裁)
事件番号 平成19(あ)1580
この裁判では、共犯者が住居に侵入した後
強盗に着手する前に現場から
離脱した場合に、共謀関係の解消するかについて
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
上記事実関係によれば,被告人は,
共犯者数名と住居に侵入して強盗に及ぶことを共謀したところ,
共犯者の一部が家人の在宅する住居に侵入した後,
見張り役の共犯者が既に住居内に侵入していた共犯者に電話で
「犯行をやめた方がよい,先に帰る」などと一方的に伝えただけで,
被告人において格別それ以後の犯行を防止する措置を講ずることなく
待機していた場所から見張り役らと共に離脱したにすぎず,
残された共犯者らがそのまま強盗に及んだものと認められる。
そうすると,被告人が離脱したのは強盗行為に着手する前であり,
たとえ被告人も見張り役の上記電話内容を認識した上で離脱し,
残された共犯者らが被告人の離脱を
その後知るに至ったという事情があったとしても,
当初の共謀関係が解消したということはできず,
その後の共犯者らの強盗も当初の共謀に基づいて
行われたものと認めるのが相当である。
これと同旨の判断に立ち,
被告人が住居侵入のみならず強盗致傷についても
共同正犯の責任を負うとした原判断は正当である。
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