結果的加重犯と過失

昭和32年2月26日最高裁 

事件番号  昭和29(あ)3604

 

夫Aと妻Bは日ごろから口喧嘩が絶えず、

離婚話も出ていた関係でしたが、

ある日も口論となり、Bの態度に激昂したは、

Aの首を絞め、その結果、Bはショック死しました。

 

Bは、心臓肥大、高度の脂肪肝などの特異体質があり、

生理中でもありました。

 

最高裁判所の見解

原判決は第一審判決挙示の鑑定書により被告人のAに対する

頸部扼圧の暴行が間接的誘因となり

同人のシヨツク死を惹起した事実は

明らかでその間に間接的ながら因果関係が認められると判示して

第一審判決のこの点に関する判断を肯認したこと記録上明瞭である。

 

そして、傷害致死罪の成立には暴行と死亡との間に

因果関係の存在を必要とするが、

致死の結果についての予見を必要としないこと当裁判所の

判例とするところであるから、原判示のような因果関係の存する以上

被告人において致死の結果を予め認識することの可能性ある場合でなくても

被告人の判示所為が傷害致死罪を構成するこというまでもない。

 

この判例のポイント

結果的加重犯は、一定の犯罪が実行され、

当該犯罪が予定している結果よりも重い結果が発生した場合に、

当該犯罪よりも重い法定刑が規定されている犯罪類型ですが、

この一定の犯罪と重い結果の間の関係について、

どのような関係が存在しなければならないかという点が

重要なポイントとなるわけですが、

本判例のように、判例は大審院時代から現在に至るまで一貫して、

一定の犯罪と重い結果の間の関係について、

因果関係が存在していれば足りるとしています

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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