高速道路侵入事件(被害者の行為の介在と因果関係)

(平成15年7月16日最高裁)

事件番号  平成15(あ)35

 

被告人ら6人は、Xを呼び出し、

公園において,深夜約2時間10分にわたり,

間断なく極めて激しい暴行を繰り返し,引き続き,

マンション居室において,約45分間,

断続的に同様の暴行を加え、Xは,すきをみて,

マンション居室から靴下履きのまま逃走し,

被告人らに対し極度の恐怖感を抱き,

逃走を開始してから約10分後,

被告人らによる追跡から逃れるため,高速道路に進入し,

疾走してきた自動車に衝突され,後続の自動車に轢かれて,

死亡しました。

 

第一審は、暴行と死亡結果の因果関係を否定し、

第二審は、暴行と死亡結果の因果関係を肯定しました。

 

最高裁判所の見解

被害者が逃走しようとして高速道路に進入したことは,

それ自体極めて危険な行為であるというほかないが,

被害者は,被告人らから長時間激しくかつ執ような暴行を受け,

被告人らに対し極度の恐怖感を抱き,必死に逃走を図る過程で,

とっさにそのような行動を選択したものと認められ,

その行動が,被告人らの暴行から逃れる方法として,

著しく不自然,不相当であったとはいえない

 

そうすると,被害者が高速道路に進入して死亡したのは,

被告人らの暴行に起因するものと評価することができるから,

被告人らの暴行と被害者の死亡との間の因果関係を肯定した原判決は,

正当として是認することができる。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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