事件回付の措置と訴訟法に準拠する不服申立

(昭和44年3月25日最高裁)

事件番号  昭和44(し)3

 

この裁判では、

地方裁判所の本庁と支部との間あるいは

支部相互間の事件の回付の措置に対して、

当事者は、訴訟法に準拠する不服の申立できるかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

訴訟法上の管轄は、国民の基本的権利に直接関係あるものとして、

本来法律で定められるべき事項であり、

現にこの点については、

下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律(昭和22年法律第63号)によって

規定されているのである。

 

管轄によつて保護される国民の法的利益は、

右の法律をもって限度とされていることは極めて明らかであり、

国民の便宜供与の目的に出るとはいいながら、

裁判所の司法事務処理に関する事項として制定された

地方裁判所等支部設置規則による管轄区域の定めは、

裁判所内部の事務分配の定めであるにすぎず、

この定めによって、国民が何らかの利益を受けるとしても、

それは、単に国民の事実上の利益にとどまり、

法的利益にまで高められたものとはいえない。

 

したがって、地方裁判所の本庁と支部間あるいは

支部相互間の事件の回付は、訴訟法上の手続ではないから、

回付の措置に対しては、当事者は、

訴訟法に準拠する不服申立はできないものといわなければならない

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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