いずみ福祉会事件

(平成18年3月28日最高裁)

平成15(受)1099

 

Y社の従業員Xは、Y社に解雇され、

解雇の無効を主張し、

雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認と、

解雇後の賃金についての支払いを求めて、

訴えを提起しました。

 

Xは、Y社に解雇された後、

他社で働き収入を得ていましたが、

Y社がXに解雇期間中の賃金を支払う際に、

この他社での収入ぶんをどのように考えるかが

注目されました。

 

最高裁判所の見解

使用者の責めに帰すべき事由によって解雇された労働者が

解雇期間中に他の職に就いて利益(以下「中間利益」という。)を得たときは,

使用者は,当該労働者に解雇期間中の賃金を支払うに当たり

中間利益の額を賃金額から控除することができるが,

上記賃金額のうち労働基準法12条1項所定の

平均賃金の6割に達するまでの部分については

利益控除の対象とすることが禁止されているものと

解するのが相当である。

 

したがって,使用者が労働者に対して負う

解雇期間中の賃金支払債務の額のうち

平均賃金額の6割を超える部分から当該賃金の支給対象期間と

時期的に対応する期間内に得た中間利益の額を控除することは

許されるものと解すべきであり,

上記中間利益の額が平均賃金額の4割を超える場合には,

更に平均賃金算定の基礎に

算入されない賃金(同条4項所定の賃金)の全額を対象として

利益額を控除することが許されるものと解される。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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