宗教法人の代表役員および責任役員の地位にあることの確認を求める訴と確認の利益

(昭和44年7月10日最高裁)

事件番号  昭和41(オ)805

 

この裁判では、

宗教法人の代表役員および責任役員の地位にあることの確認を

求める訴と確認の利益について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

被上告人は、本訴において、

宗教法人D寺を相手方とすることなく、

上告人らに対し、被上告人が同宗教法人の代表役員および

責任役員の地位にあることの確認を求めている。

 

しかし、このように、法人を当事者とすることなく、

当該法人の理事者たる地位の確認を求める訴を提起することは、

たとえ請求を認容する判決が得られても、

その効力が当該法人に及ばず、同法人との間では

何人も右判決に反する法律関係を主張することを妨げられないから、

右理事者の地位をめぐる関係当事者間の紛争を

根本的に解決する手段として有効適切な方法とは認められず、

したがって、このような訴は、即時確定の利益を欠き、

不適法な訴として却下を免れないことは、

当裁判所の判例の趣旨とするところである

(最高裁昭和39年(オ)第554号

同42年2月10日第二小法廷判決民集21巻1号112頁、

同39年(オ)第1435号同43年12月24日

第三小法廷判決裁判集民事93号登載予定参照)。

 

法人の理事者が、当該法人を相手方として、

理事者たる地位の確認を訴求する場合にあっては、

その請求を認容する確定判決により、

その者が当該法人との間において

その執行機関としての組識法上の地位にあることが確定されるのであるから、

事柄の性質上、何人も右権利関係の存在を認めるべきものであり、

したがって、右判決は、対世的効力を有するものといわなければならない

 

それ故に、法人の理事者がこの種の訴を提起する場合には、

当該法人を相手方とすることにより、

はじめて右理事者の地位をめぐる関係当事者間の紛争を

根本的に解決することができることとなる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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