訴えの提起が違法な行為となる場合
(昭和63年1月26日最高裁)
事件番号 昭和60(オ)122
この裁判では、
訴えの提起が違法な行為となる場合について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において、
右訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、
当該訴訟において提訴者の主張した権利又は
法律関係(以下「権利等」という。)が事実的、
法律的根拠を欠くものであるうえ、提訴者が、
そのことを知りながら又は通常人であれば容易に
そのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど、
訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして
著しく相当性を欠くと認められるときに
限られるものと解するのが相当である。
けだし、訴えを提起する際に、提訴者において、
自己の主張しようとする権利等の事実的、法律的根拠につき、
高度の調査、検討が要請されるものと解するならば、
裁判制度の自由な利用が著しく阻害される結果となり
妥当でないからである。
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