証拠調べの必要性と即時抗告
(平成12年3月10日最高裁)
事件番号 平成11(許)20
この裁判では、
証拠調べの必要性と即時抗告について、
民訴法197条1項3号所定の「技術又は職業の秘密」について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
証拠調べの必要性と即時抗告
証拠調べの必要性を欠くことを理由として
文書提出命令の申立てを却下する決定に対しては、
右必要性があることを理由として
独立に不服の申立てをすることはできないと解するのが相当である。
民訴法197条1項3号所定の「技術又は職業の秘密」とは
民訴法197条1項3号所定の「技術又は職業の秘密」とは、
その事項が公開されると、当該技術の有する社会的価値が下落し
これによる活動が困難になるもの又は当該職業に
深刻な影響を与え以後その遂行が
困難になるものをいうと解するのが相当である。
本件において、相手方は、本件文書が公表されると
本件機器のメーカーが著しい不利益を受けると主張するが、
本件文書に本件機器のメーカーが有する
技術上の情報が記載されているとしても、
相手方は、情報の種類、性質及び開示することによる
不利益の具体的内容を主張しておらず、原決定も、
これらを具体的に認定していない。
したがって、本件文書に
右技術上の情報が記載されていることから
直ちにこれが「技術又は職業の秘密」
を記載した文書に当たるということはできない。
ある文書が、その作成目的、記載内容、
これを現在の所持者が所持するに至るまでの経緯、
その他の事情から判断して、
専ら内部の者の利用に供する目的で作成され、
外部の者に開示することが予定されていない文書であって、
開示されると個人のプライバシーが侵害されたり個人ないし
団体の自由な意思形成が阻害されたりするなど、
開示によって所持者の側に看過し難い
不利益が生ずるおそれがあると認められる場合には、
特段の事情がない限り、当該文書は民訴法220条4号ハ所定の
「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるということは、
当審の判例とするところであるる
(平成一一年(許)第二号同年一一月一二日第二小法廷決定・
民集五三巻八号登載予定)
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