国家賠償請求への損失補償請求の併合

( 平成5年7月20日最高裁)

事件番号  昭和63(オ)1410

 

この裁判では、

国家賠償請求への損失補償請求の併合について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

右損失補償請求は、

主位的請求である国家賠償法1条1項等に基づく

損害賠償請求と被告を同じくする上、

いずれも対等の当事者間で金銭給付を求めるもので、

その主張する経済的不利益の内容が同一で請求額も

これに見合うものであり、同一の行為に起因するものとして

発生原因が実質的に共通するなど、

相互に密接な関連性を有するものであるから、

請求の基礎を同一にするものとして

民訴法232条の規定による訴えの追加的変更に準じて

右損害賠償請求に損失補償請求を追加することが

できるものと解するのが相当である。

 

もっとも、損失補償請求が公法上の請求として

行政訴訟手続によって

審理されるべきものであることなどを考慮すれば、

相手方の審級の利益に配慮する必要があるから、

控訴審における右訴えの変更には

相手方の同意を要するものというべきである。

 

ところが、記録によれば、原審において、被上告人は、

右予備的請求を追加的に併合することは

不適法であるとして訴えの却下を求めており、

被上告人による同意があったものと認めることはできない。

 

したがって、上告人の本件予備的請求を

追加することは許されないところ、

記録によれば、本件損失補償請求の予備的、追加的併合申立ては、

主位的請求と同一の訴訟手続内で審判されることを前提とし、

専らかかる併合審判を受けることを

目的としてされたものと認められるから、

右予備的請求に係る訴えは、

これを管轄裁判所に移送する措置をとる余地はなく

不適法として却下すべきであって、

これと結論を同じくする原判決は、正当である。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

行政判例コーナー

行政法の解説コーナー


行政書士試験にわずか147日で合格した勉強法

行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本


スポンサードリンク

関連記事