検察官の公訴提起と国家賠償責任
(昭和53年10月20日最高裁)
事件番号 昭和49(オ)419
この裁判では、
検察官の公訴提起と国家賠償責任について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
刑事事件において無罪の判決が確定したというだけで
直ちに起訴前の逮捕・勾留、公訴の提起・追行、起訴後の勾留が
違法となるということはない。
けだし、逮捕・勾留はその時点において
犯罪の嫌疑について相当な理由があり、かつ、
必要性が認められるかぎりは適法であり、
公訴の提起は、検察官が裁判所に対して
犯罪の成否、刑罰権の存否につき審判を求める
意思表示にほかならないのであるから、
起訴時あるいは公訴追行時における検察官の心証は、
その性質上、判決時における裁判官の心証と異なり、
起訴時あるいは公訴追行時における各種の証拠資料を
総合勘案して合理的な判断過程により
有罪と認められる嫌疑があれば足りるものと
解するのが相当であるからである。
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