裁量処分の無効確認訴訟における無効事由の主張・立証責任

(昭和42年4月7日最高裁)

事件番号  昭和40(行ツ)45

 

この裁判では、

裁量処分の無効確認訴訟における無効事由の

主張・立証責任について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

旧行政事件訴訟特例法のもとにおいても、また、

行政事件訴訟法のもとにおいても、

行政庁の裁量に任された

行政処分の無効確認を求める訴訟においては、

その無効確認を求める者において、

行政庁が右行政処分をするにあたってした裁量権の行使が

その範囲をこえまたは濫用にわたり、したがって、

右行政処分が違法であり、かつ、その違法が

重大かつ明白であることを主張および

立証することを要するものと解するのが相当である。

 

これを本件についてみるに、本件牧野売渡処分は、

旧自作農創設特別措置法41条1項2号および

同法施行規則28条の8に基づいてされたものであるから、

右売渡処分をするにあたって、

右法条に規定されたものの相互の間で、

いずれのものを売渡の相手方とするかは、

政府の裁量に任されているものというべきである。

 

しかるに、上告人らは、政府のした右裁量権の行使が

その範囲をこえもしくは濫用にわたり、

したがって違法視されるべき旨の具体的事実の主張

または右違法が重大かつ明白である旨の

具体的事実の主張のいずれをもしていない

(なお、上告人らが原審において本件売渡処分当時

本件土地が上告人らの入会採草地であった旨の

所論の主張をした事跡のないことは、

記録に徴し明らかであり、また、その余の上告人らの主張事実は、

右説示のいずれの具体的事実にも該当しない。)

 

したがって、本件牧野売渡処分が無効でないとした原料決には、

所論の違法はなく、論旨は、採用できない。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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