警察官のパトカーの追跡による第三者の損害
(昭和61年2月27日最高裁)
事件番号 昭和58(オ)767
この裁判では、
警察官のパトカーの追跡による第三者の損害について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
およそ警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に
判断してなんらかの犯罪を犯したと疑うに足りる
相当な理由のある者を停止させて質問し、また、
現行犯人を現認した場合には速やかに
その検挙又は逮捕に当たる職責を負うものであって
(警察法2条、65条、警察官職務執行法2条1項)、
右職責を遂行する目的のために被疑者を追跡することは
もとよりなしうるところであるから、
警察官がかかる目的のために交通法規等に違反して
車両で逃走する者をパトカーで追跡する職務の執行中に、
逃走車両の走行により第三者が損害を被った場合において、
右追跡行為が違法であるというためには、
右追跡が当該職務目的を遂行する上で不必要であるか、
又は逃走車両の逃走の態様及び道路交通状況等から
予測される被害発生の具体的危険性の有無及び内容に照らし、
追跡の開始・継続若しくは追跡の方法が
不相当であることを要するものと解すべきである。
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