【憲法】外国人の人権保障についての

試験対策の要点をまとめました。

行政書士試験レベルを想定していますが、

他試験にも共通する基本で重要なポイントですので、

他試験受験者の方も活用いただけると思います。

 

「外国人」とは

憲法の人権保障を考える際の「外国人」

という言葉のつかい方ですが、

「日本国民でない者」のことをいいます。

 

ですから、外国籍を持つ者はもちろんのこと、

無国籍の者も「外国人」として扱われることになります。

(なお、日本国籍を有する者は、

外国籍を取得せずに、日本国籍を離脱して

無国籍者となることは認められていません。

これを認めないことは本人の人権保障のためであり、

人権侵害になることはありません。)

 

外国人の人権はどこまで保障されるか

外国人も権利の性質上可能な限り

人権が保障されます。

 

逆の言い方をすれば、権利の性質上、日本国民のみに

認められるべき権利については外国人には保障が及びません。

(この考え方を「性質説」といい、判例・通説となっています)

 

外国人の入国、出国、再入国の自由

外国人には、出国の自由は保障されますが、

入国、再入国の自由は保障されません。

また、外国人の「滞在の自由」ですが、

滞在とは、入国を継続することですので、

入国の自由が保障されていないので、

滞在の自由も保障されないことになります。

 

外国人の再入国の自由を保障しないとした判例は

以下の判例をご参照ください。

森川キャサリーン事件

 

外国人の滞在の自由を保障しないとした判例は以下の判例をご参照ください。

マクリーン事件

 

 

外国人は日本の公務員になることができるのか

外国人も日本の公務員となることができる場合もありますが、

わが国の統治にかかわる職務や、

管理的または権力的な職務に就くことはできません。

 

地方公共団体が、

「公権力行使等地方公務員(住民の権利義務を直接形成し、

その範囲の確定など、公権力の行使にあたる行為を行ったり、

普通地方公共団体の重要な施策に関する決定、

参画することを職務とする者)」の職と、

これへの昇任に必要な職、任用制度を構築し、

管理職への昇任を日本国民である職員に限って可能としたものは、

合理的な理由があるとして労働基本法3条、憲法14条1項に

違反しないとされています。

 

外国人の国会議員、地方議会議員の選挙権、被選挙権

まず、外国人の国会議員選挙への

参政権についてですが、

外国人に国会議員の選挙権を認めることは、

憲法上禁止されているとした判例があります。

 

地方自治体における外国人の参政権は、

憲法上保障も禁止もされていない

という状態です。

 

ですから、外国人の地方自治への参政権を

付与する立法は憲法違反になりませんし、

この立法をしないことも憲法違反にはなりません。

(現行法上は、外国人の地方自治への

参政権はありません。)

 

外国人の社会保障上の処遇

判例は、社会保障上の在留外国人への処遇は、

国の政治的判断で決定できるとし、

自国民を在留外国人より優先して

福祉給付を行うことができるとし、

国籍を理由に社会保障の給付をしなくても、

憲法25条、14条に違反しないとしました。

 

詳しくはこちらの判例をご参照ください。

塩見訴訟

 

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