リラックス法学部 >祝・ドラマ化「極悪がんぼ」特設ページ>ドラマ「極悪がんぼ」第一話の感想をあらすじとネタバレを交えまして
私、リラックスヨネヤマの敬愛する作品「極悪がんぼ」が、
2014年4月14日、ついにドラマとしてスタートしました。
第一話を観終えまして、率直な感想をつづらせていただきたいと思います。
原作をお読みの方は「そうそう!」、
原作をお読みでない方「そうなんだ!」、
といった具合に、どちらの方にもドラマの余韻を増幅してお楽しみいただけるような
文章になるように精進いたしますので、よければお付き合いください。
あらすじを丁寧に説明するわけではありませんが、
感想とネタバレが含まれますので、まだ録画してご覧になっていないという方は
ドラマをご覧になってからお読みいただければ幸いです。
まず、冒頭で神崎薫とその彼氏・茸本が不動産投資詐欺にひっかかり、
300万円(そのうち100万円は神崎薫の貯金)を失ったというところから始まり、
警察に通報しようという神崎に対し、
茸本は
「警察に通報したって面倒くさいだけで金なんか戻ってこないから」
と拒みます。
さりげなく言われたこのセリフですが、
これから描かれるこの作品の世界観を象徴するセリフです。
そして次の言葉
「それよりもお金を作らなきゃ」
茸本のこの言葉で、神崎が道連れとなり、
違法行為をした結果、お金を作るどころか200万円の債務を背負う
ところまで一瞬で描いたくだり、お見事でした。
茸本が他人のクレジットカードを利用した結果、
神崎薫も共犯になり、持ち主にあっけなくバレて
持ち主に「シゴされる」わけですが、
このくだりを短い時間でムリヤリ感も説明不足感も感じさせず、
サッと描いた描写は本当に秀逸でした。
原作では、神崎の悪友・茸本がこの犯行を提案し、神崎もなかば同調して犯行に手を貸し、
彼らの手口はホッカイロの砂やパンスト、セロハンテープなどをつかって
カードの読み取り部分を写し取るという原始的な手口でしたが、
ドラマではパソコンでクレジットカードを読み取って
一瞬でデータを盗み取って終わりというもので、
文明の発達のおかげで、神崎・茸本の犯行の手間が大幅にカットされました(笑)
原作の神崎守は茸本の犯行に協力的で、きっちりとわけ前を得たのに対し、
ドラマの神崎薫は茸本のこの行動を「こんな事もうやめよう」と叱責します。
しかし、神崎薫は、
小清水経営コンサルタントの「事件屋」の連中にしっかりとカタにハメられ、
金子から
「金の作り方を知らないという重い罪を犯している」
「無能とは罪」
という言葉を浴び、債務をどうにかするために、
違法行為を重ねていきます。
(ちなみに「無能とは罪だ」は、
原作では秦所長が金子を二度絶望に追い込んだセリフです…。
11巻参照。秦所長の恐ろしい執念深さを表すセリフです。)
「血で血を洗う」ごとく、「違法を違法で洗い」
ズブズブとこの世界に神崎薫が飲み込まれていきます。
しかし、神崎薫は客観的に違法行為をしていても、
内面の「誠実さ」はしっかりと残っていました。
神崎薫とともに「カタにハメられた女性」を、
その誠実さから、自らリスクを背負い、救出します。
この救出エピソードは、「極悪がんぼ」の原作・田島先生・東風先生の作品
「カバチタレ!」のドラマの第一話を彷彿とさせるようでした。
しかし、第一話のスタッフロールが流れた後、
神崎薫が変わります。
救出した女性に善意を踏みにじられ、
自身の幼少期の体験がフラッシュバックします。
そして、
「金の作り方を知らないという重い罪を犯している」
という金子の言葉に呼応するように、
「あなたたちはお金の作り方を知っている」と、
小清水経営コンサルタントのメンバーに加えてもらうよう
自ら志願します。
スタッフロールが流れた後のくだりに私は、
「待ってました」
とニヤリとしてしまいました。
東風先生の作画が登場し、いよいよ極悪がんぼの真骨頂の
ドス黒さの影がさしてきました。
「事件屋の神崎薫」がいよいよここから始まるという雰囲気にゾクっときました。
第二話からの「事件屋・神崎薫」としての尾野真千子さんの表現が、非常に楽しみです。
という事で、念願の極悪がんぼ第一話を見終わり、総括としては、
原作の魅力、世界観を踏襲しつつ、ドラマとしてのエンターテイメントを成立させた
非常に完成度の高い仕上がりになっていると思います。
最高に楽しかったです。
原作が大好きだったがために、見る前は「ガッカリするような出来だったらどうしよう…」
と、ちょっと不安といいますか、こわい気持ちがありましたが、
すべて覆されました。
そして全話通した時に、カバチタレ!のように、
原作とは別物の名作が生まれそうな雰囲気を感じております。
次回からの「事件屋・神崎」が、いよいよこの作品の真骨頂だと思うので、
また来週を首を長くして待ちたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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