リラックス法学部 >祝・ドラマ化「極悪がんぼ」特設ページ>ドラマ・極悪がんぼ 第2話 学習塾の計画倒産のお話のあらすじと感想
ドラマ・極悪がんぼの第2話は、学習塾の計画倒産のお話でした。
今回も私リラックスヨネヤマの感想をつづっていきたいと思います。
あらすじを丁寧に説明するわけではありませんが、
感想とネタバレが含まれますので、まだ録画してご覧になっていないという方は
ドラマをご覧になってからお読みいただければ幸いです。
さて、第一話の感想で茸本(三浦翔平さん)が冒頭で不動産詐欺にあって
300万円を失い、神崎(尾野真千子さん)が警察に通報しようと言った際、
茸本が言った
「警察に通報したって面倒になるだけで、お金なんか戻ってこないから」
というセリフを、ワタクシ「これから展開される世界観を象徴している」
と書きましたが、今回の放送で茸本が警察への通報を拒んだ理由が別である事が
わかりました(笑)
茸本は不動産投資でお金を失ったのでなく、
実は競馬でスッたのでした…
さすが、クサレ外道茸本!
ますます好きになりました(笑)
さて、今回は学習塾経営者の計画倒産に
金子(三浦友和さん)と神崎が
手を貸すシーンから始まり、
神崎が金子を出し抜いて、債権者の一人印刷屋を助けつつ
利を得るというお話です。
今回はちょっと、気になった点について、つづっていきたいと思います。
ストーリーにはほぼ影響ない点も含めて細かい話になるかもしれませんが、
お読みいただいた方に、
作品をちょっと違った角度からお楽しみいただく事ができれば幸いです。
神崎の看板料を冬月がなぜ立て替える事に?
第一話で神崎は小清水経営コンサルタントに入所する際に「看板料」の
2000万円の債務を負ったわけですが、
今回のお話で小清水所長(小林薫さん)が、
冬月(椎名桔平さん)に看板料を立て替えるよう提案しました。
冬月は観ていた私の気持ちを代弁してくれました。
「なぜ、私が?」
小清水所長は「君に任せてるホテル経営、調子いいみたいですね」
という話をして、
結局、冬月が立て替える事になります。
原作の秦所長もこのような理不尽としかいいようのない無理強いをしますが、
私の印象では、
もっと何かしら、どんなに細くても一本の糸のようにつながった
それらしい根拠を言ってくるイメージです。
ですので、小清水所長が冬月に看板料を立て替えさせる名目として
ひと「カバチ(屁理屈)」欲しかったなという気がします。
これは計画倒産?
お話の冒頭で金子と神崎が学習塾の金目のものを
整理しているところから始まるのですが、
私が思ったのはこれは「計画倒産?」
という事です。
本来、倒産した場合、会社の財産を全て処分して、
債権者たちの債権額の割合で
そのお金を分配するというものですが、
計画倒産の場合、債権者に隠して財産を処分し、
手持ちのお金を残した状態で倒産するという
あくどいものです。
今回は後者のあくどい手段を金子と神崎が手伝い
自分たちもその分け前をもらうという事をしているわけですが、
今回神崎が金子に隠れて手を貸す印刷屋が、
予備校と契約したのは「2週間前」です。
テキストとチラシの印刷代で債権額430万円という事です。
テキストとチラシはハッキリ言って、
売却してお金に換える財産価値はほぼありません。
そんなものを計画倒産を企む会社がなぜ2週間前に契約するのだろうか?
という点が疑問でした。
(ちなみに原作では、売却する財産を増やすために、
倒産寸前で新車のベンツ、BMWを購入しています。
また、原作では神崎が金子を出し抜いて在庫を処分する際、
学習塾で「使っていた」テキストを見て
「さすがにこれはいらんわ」
と言って倉庫に置いていきます。
後に金子と塾経営者が倉庫に来た際、
「金目のブツが全部無くなってるじゃないか」
という金子に対して、塾経営者は
「い、いや、テキストが残っとりますで」
といってテキストを抱きしめるように拾い上げます。
金子は「こんなもん何の役に立つんじゃ」
とテキストを蹴り飛ばしますが、この描写から塾経営者が
計画倒産を企みつつ「塾講師」としての心が残っている表現と
私は感じました)
冬月の使っている六法全書は平成12年度版?
冬月のデスクの隣の出窓になっている棚に、
有斐閣の判例六法の平成12年度がありました。
(物語の時代設定は契約書の記載から平成26年)
他の書も年季の入っているものが並んでいますが、
冬月が警察官僚の頃に使っていたものでしょうか…?
豊臣弁護士は日本中の他の弁護士ができない仕事をしたのか?
神崎は印刷屋が学習塾経営者と交わした公正証書をもとに
財産の強制執行を豊臣弁護士に依頼します。
ちなみに「公正証書」とは、
お上がお墨付きをした契約書で、
今回の場合、公正証書があるというのは、
裁判で勝ったのと同じ状況という事です。
本来であれば、裁判で勝ってから財産を差押えるという
非常に時間がかかる流れになりますが、
今回の場合、裁判をしなくてもいきなり強制執行できるわけです。
豊臣弁護士は神崎の強制執行の
「一週間で」
という依頼に、
「日本中の弁護士にあたってもそんな芸当できる弁護士いないよ。
僕をのぞいてはね、蛇の道は蛇じゃけんな」
と言い、4倍の速さでやるので報酬も4倍という話になります。
そして数日後、裁判所執行官が隠し財産の倉庫に差押えに行くという流れ
になります。
裁判所執行官と金子は顔見知りのようでしたので、
裁判所の方にも、裏の世界と繋がりを持った人物がいるという
描写だったのかもしれません。
ちなみに原作では、神崎が司法書士事務所に公正証書を持っていき、
普通に裁判所執行官がやってきて、動産を差押えていきます。
こちらは強制執行をするにあたってした事は、
公正証書を司法書士に渡して、
至極まっとうに当たり前に強制執行しただけです。
ですので、今回の豊臣弁護士の描写が、
「豊臣弁護士と裁判所に通じている者がいる(金子とも顔見知り)」
という描写なのか、
「豊臣弁護士が何もしらない神崎から報酬をふんだくった」
という描写なのか、
どっちなのかな?と考えてしまいました…
財産を売却して「700万円」で足元見られた?
神崎が、くされ外道の茸本とともに金子を出し抜いて、
倉庫の財産を処分しますが、その売却した額が700万円という事でした。
茸本が「おもいっきり足元見られたねぇ」
と言っていますが、ちょっと違和感を感じてしまいました。
原作では新車のベンツを「そのスジ」に流した代金500万円も含めて
神崎が700万円のお金を手にしますが、
今回あの倉庫に「おもいっきり足元見られて」
700万円ほどの財産があったのでしょうか?
押しかけた債権者のデジタルカラーコピー機6台、
大型テレビ4台、パソコン20台、机数台、
(これらから数品はすでに金子が売却済)
その他、塾経営者・屯面(トンズラ)の私物をあわせて、
700万円の額はかなり御の字では…
また、債権者集会にはこの商品の取引先しか来ておらず、
金融機関からの借り入れも無さそうですし、
(さそり金融には最初の売却代金で返済済)
2週間前にテキスト、チラシの契約をする
(前述した通りこれらに資産価値はない)
ぐらいやる気がある塾に、何があったのか?
資金繰りがキツイのであればなぜこれらのものをいっぺん
に仕入れたのか?(全部未開封)
と考えてしまいました…(笑)
という事で、今回は瑣末な細かい点ばかりを取り上げた
お話でしたが、極悪がんぼの世界をもっと楽しむ材料になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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