共有物の持分の価格が過半数をこえる者が他の共有者に明渡を請求することができるか
(昭和41年5月19日最高裁)
事件番号 昭和38(オ)1021
この裁判では、
共有物の持分の価格が過半数をこえる者は、
共有物を単独で占有する他の共有者に対し、
当然には、その占有する
共有物の明渡を請求することの可否について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
共同相続に基づく共有者の一人であって、
その持分の価格が共有物の価格の
過半数に満たない者(以下単に少数持分権者という)は、
他の共有者の協議を経ないで当然に共有物(本件建物)を
単独で占有する権原を有するものでないことは、
原判決の説示するとおりであるが、他方、
他のすべての相続人らがその共有持分を合計すると、
その価格が共有物の価格の過半数をこえるからといって
(以下このような共有持分権者を多数持分権者という)、
共有物を現に占有する前記少数持分権者に対し、
当然にその明渡を請求することができるものではない。
けだし、このような場合、右の少数持分権者は自己の持分によって、
共有物を使用収益する権原を有し、これに基づいて
共有物を占有するものと認められるからである。
従って、この場合、多数持分権者が少数持分権者に対して
共有物の明渡を求めることができるためには、
その明渡を求める理由を主張し立証しなければならないのである。
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