リラックス法学部 > 初学者の部屋 > 根抵当権の元本の確定と確定事由ついて解説
根抵当権の元本の確定ついて解説
今回は根抵当権の元本の確定について
解説していきます。
根抵当権とは、商売をしている方のために
抵当権に融通を効かせたバージョンです。
抵当権は設定した債権額を弁済すると消滅するわけですが、
根抵当権は何度も取引を繰り返すことを継続し、
その間に債権額が0の状態になっても消滅しません。
「元本の確定」とは
「この額(債権)を弁済したら根抵当権が消滅する」
という額(債権)が決まることだと
イメージしていただければと思います。
元本が確定した後の根抵当権は、
普通の抵当権と同じものと考えていただければ
よいです。
つまり、根抵当権を学習する上でのキモは、
元本確定前の特徴と、どんな時に元本が確定するのか
というところです。
今回はどんな時に元本が確定するのかを説明していきます。
(元本確定前の特徴はこちらをご参照ください↓
元本の確定事由
◯確定期日の到来
これははじめから、元本が確定する日を決めておいて、
その日が来たら元本が確定するというものです。
確定期日を定める場合は契約の日から
5年以内の日でなければなりません。
◯根抵当権者からの確定請求
確定期日の定めがない場合は
根抵当権者はいつでも確定請求をできます。
請求の時に元本が確定します。
◯根抵当権設定者からの確定請求
「設定者」であって
「債務者」ではないことに注意しましょう。
設定者は根抵当権が設定された不動産の持ち主です。
債務者と設定者が同一人物の事もありますが、
異なる場合もありますので注意です。
根抵当権設定者は、
根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、
元本の確定を請求することができます。
この場合請求の時から
二週間を経過することによって確定します。
根抵当権者の場合、請求の時に確定しますが、
設定者からの請求の場合、
2週間を経過してから元本が確定することに注意しましょう。
根抵当権者はお金を貸す側なので、
「これでやめ」と言った時に確定してよいのですが、
設定者が確定を請求した時とすれ違いに、
根抵当権がお金を貸した時(債権が生じた時)、
根抵当権がそのお金も根抵当権によって
担保されるつもりで貸したのに、
元本が確定しまった後に貸すと
その債権が根抵当権により担保されないことになり、
お金を貸した側が不意打ちをくらってしまうことに
なるからだとイメージしてください。
ということで、
この段階で結構ややこしいと思いますが、
元本の確定事由はまだまだあります…(笑)
初学者の方はとりあえず上記のものを理解し、
後は箇条書きで記載しておきますので、
サラッと目を通し、後ほどじっくり学習してみてください。
◯抵当不動産の競売・担保不動産収益執行等の手続きの開始
◯根抵当権者が抵当不動産に対して
滞納処分による差押えをしたとき
◯根抵当権者が抵当不動産に対する
競売手続の開始または滞納処分による差押えがあったことを
知ったときから2週間が経過したとき
◯債務者または根抵当権者が破産開始の決定を受けたとき
◯債権者または債務者の相続開始後
6ヶ月以内に指定根抵当権者の合意の登記又は
指定債務者の合意の登記をしない時は、
担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなされる
◯会社の合併、分割時の確定請求
(結構複雑ですのでここでの説明は割愛します)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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