リラックス法学部 判例集 > 民法 保証(446条)判例集

 

(保証人の責任等)

第四百四十六条 

保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。

2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。

3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録

(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては

認識することができない方式で作られる記録であって、

電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、

その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

 

 

民法446条関連判例

・期間の定めのある建物賃貸借賃借人の保証人は、

反対の意思を主張するなど特段の事情がない限り、

更新後の賃貸借から生じる賃借人の債務についても

保証の責めを負う趣旨で合意されたものと

解するのが相当である。

(最判平9・11・13)

 

リラックスヨネヤマからコメント…

私が裁判傍聴でみたケースでは

Aさんは8年前に賃借人の保証人になり、

賃借人は賃料も滞る事もなく二年がすぎ、

違う保証人で契約更新がされ、

その後さらに二年が経ち、

また違う保証人で契約更新をした後、

その後賃借人は行方不明になり、

支払いが滞った賃借人の

賃料債務の支払いをAさんに求める

裁判が行われていました。

 

Aさんとしては、

二年の保証人の期間を終えて、

自分がまさかあの時保証人になった事で

今になって現在の債務についてを

請求されるとは思ってもいなかった様子で、

まさに青天の霹靂といった感じでした。

 

その時の裁判官がこの判例を説明し、

要は「このままだと10対0で負けるから

和解しなさい」と促していたのが印象的でした。

 

もちろんAさんは

「その後の保証人に請求するのがスジだろ」

と主張していましたが、

それは債権者の都合になってしまいます。

 

要は一番回収しやすい人から

回収すればよいのです。

私はこの判例が社会通念上、

妥当なものか疑問を感じてしまいました。

Aさんの感覚、認識で

保証契約をするのが普通のような気がします…

 

 

(保証債務の範囲)

第四百四十七条 

保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償

その他その債務に従たるすべてのものを包含する。

2 保証人は、その保証債務についてのみ、

違約金又は損害賠償の額を約定することができる。

(保証人の負担が主たる債務より重い場合)

第四百四十八条 

保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、

これを主たる債務の限度に減縮する。

 

 

民法448条関連判例

・保証人は主債務者の時効を援用する事ができる。

(大判大4・7・13)

 

・主債務者が債権譲渡について異議をとどめない承諾をしても、

連帯保証人は譲渡人に対する異議をもって

譲受人に対抗する事ができる。

(大判昭和15・10・9)

 

・主債務者が時効利益を放棄しても、

保証人はなお時効を援用することができる。

(大判大5・12・25)

 

 (取り消すことができる債務の保証)

第四百四十九条 

行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、

保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、

主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合において

これと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。

 

 

民法449条関連判例

・無能力者(制限行為能力者)の債務の保証人は、

無能力者(制限行為能力者)を取り消す事ができない。

 (大判昭和20・5・21)

 

(保証人の要件)

第四百五十条 

債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、

その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。

一 行為能力者であること。

二 弁済をする資力を有すること。

2 保証人が前項第二号に掲げる要件を欠くに至ったときは、

債権者は、同項各号に掲げる要件を具備する者をもって

これに代えることを請求することができる。

3 前二項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。

(他の担保の供与)

第四百五十一条 

債務者は、前条第一項各号に掲げる要件を具備する保証人を立てることができないときは、

他の担保を供してこれに代えることができる。

(催告の抗弁)

第四百五十二条 

債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、

まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。

ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、

又はその行方が知れないときは、この限りでない。

(検索の抗弁)
第四百五十三条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、

保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、

執行が容易であることを証明したときは、債権者は、

まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。

 

民法453条関連判例

・検索の抗弁を主張するためには、

 執行が容易な主債務者の若干の財産の証明があれば足りる。

 (大判昭和8・6・13)

 

民法456条関連判例

・連帯保証人は保証人間に連帯の特約がなくても、

分別の利益を有しない。

 (大判大6・4・28)

 

 

 民法460条関連判例

・委託を受けた物上保証人については

本条の規定を類推適用する事はできない。

 (最判平2・12・18)

 

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