リラックス法学部 >民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 >債務名義についてわかりやすく解説
強制執行を行うには、3つの要件があります。
1債務名義がある
2執行文の付与
3債務名義の債務者への送達
その中で今回は1の債務名義について、
説明していきたいと思います。
債務名義
債務名義とは、
強制執行によって実現されるべき債権の存在
および範囲を表示した公文書のことです。
債務名義は公文書に限られます。
債務名義の種類は
民事執行法の22条に規定があります。
民事執行法第二十二条
強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。
一 確定判決
二 仮執行の宣言を付した判決
三 抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判
(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)
三の二 仮執行の宣言を付した損害賠償命令
三の三 仮執行の宣言を付した届出債権支払命令
四 仮執行の宣言を付した支払督促
四の二 訴訟費用、和解の費用若しくは非訟事件
(他の法令の規定により非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の規定を
準用することとされる事件を含む。)若しくは
家事事件の手続の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は
第四十二条第四項に規定する執行費用及び返還すべき
金銭の額を定める裁判所書記官の処分
(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)
五 金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは
有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について
公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに
強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)
六 確定した執行判決のある外国裁判所の判決
六の二 確定した執行決定のある仲裁判断
七 確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)
民事執行規則
(強制執行開始後の申立債権者の承継)
第二十二条 強制執行の開始後に申立債権者に承継があつた場合において、
承継人が自己のために強制執行の続行を求めるときは、
法第二十七条第二項に規定する執行文の付された
債務名義の正本を提出しなければならない。
三 の「抗告によらなければ
不服を申し立てることができない裁判」とは、
決定や命令のことです。
五の執行証書は、
執行承諾文言が記載されていることが必要です。
「債務の不履行の場合、
直ちに強制執行されても
債務者は文句をいわない」
という文言のことです。
七 の「確定判決と
同一の効力を有するもの」とは、
裁判上の和解調書、調停調書、認諾調書などです。
ということで、今回は強制執行を行うための一歩目
債務名義について、説明してまいりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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