リラックス法学部 >行政法をわかりやすく解説 >聴聞調書、報告書についてわかりやすく解説
行政庁が不利益処分をする場合、原則として意見陳述の手続きが必要となります。
意見陳述の手続きは「聴聞」と「弁明の機会の付与」の2種類がありますが、
今回は聴聞手続きの聴聞調書、報告書について説明していきます。
聴聞手続きは「当事者」「主宰者」「行政庁の職員」「参加人」
という登場人物で、「主宰者」が裁判官のようなポジションで
裁判のようなイメージで当事者、参加人が意見を述べていくという手続きです。
聴聞調書、報告書
主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、
不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を
明らかにしておかなければなりません。
この調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、
当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。
主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する
当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、
調書とともに行政庁に提出しなければなりません。
当事者、参加人は、この調書及び報告書の閲覧を求めることができます。
聴聞の再開
行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、
主宰者に対し、前条第三項の規定により提出された報告書を返戻して
聴聞の再開を命ずることができます。
これは聴聞の終結後に、事実関係を左右する新たな証拠が出てきた場合を想定した規定です。
行政庁は、不利益処分の決定をするときは、調書と報告書に記載された主宰者の意見を
十分に参酌してこれをしなければなりません。
行政庁又は主宰者が聴聞の過程でした処分は、
行政不服審査法による不服申立てをすることができません。
また、聴聞を経てされた不利益処分については、当事者及び参加人は、
行政不服審査法 による異議申立てをすることができません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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