責任主義とは、「責任なければ刑罰なし」
という言葉で表現されますが、
行為者に対する責任非難ができない場合には
刑罰を科すべきではないとする原則です。
刑法上の「責任」とは、犯罪行為について
それを行った者を非難しうることを意味します。
刑法は法益保護の見地から、
一定の行為を禁止・命令し、その違反に刑罰の制裁を
予告・実行することにより、
国民が犯罪を犯さないように動機づけるものです。
行為者がこの「動機づけ」が可能であったこと、
つまり、行為者が犯罪行為を行う時点で、
他の適法な行為を選択することも可能である
心理状態であったことが前提となります。
すなわち、有責性とは、
他の適法な行為をすることができたのに、
違法行為をしたことに対する
法的非難ということになり、
責任非難ができない場合には、
処罰をすることができないとするのが、
「責任主義」で、
今日では広く認められている考え方です。
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